思わぬ609円高で過熱警戒感
昨日の東京株式市場は続伸して始まりましたが、前日に思わぬ609円高となったことで過熱警戒感が高まりました。決算発表も終盤を迎え、日替わりメニュー物色となっているため、決算通過後の反応が一巡すると気分は次へと移ろいます。
コロナ対策で景気過熱論も
8日の米国市場はイエレン米財務長官発言が材料視され主要3指数は最高値を更新しました。イエレン財務長官は「1.9兆ドルのコロナ対策が実現すれば来年に完全雇用達成が可能だ」と話しました。これに対し、景気過熱論も出てきています。エコノミスト界の重鎮・サマーズ元財務長官が1.9兆ドルの経済対策は過大で、インフレなど副作用をもたらすと警鐘を鳴らしました。
経済政策・金融緩和に賛否
また、米議会予算局もバイデン政権が目指す最低時給15ドルへの引き上げが4年間で140万人の雇用を犠牲にすると試算。最低賃金が上がると、企業は人員削減やAIや自動化への代替を強める可能性があるとしています。コロナ収束期待が広がる中、フルスロットルの経済政策・金融緩和に賛否が出始めてきました。
金融緩和続ける理屈は乏しい
マーケットは期待先行となっており、原油価格が2020年1月以来の58ドルに乗せ、アメリカの予想インフレ率は6年半ぶりの高水準となってきました。ただ、インフレ観測が高まる中、完全雇用となればFRBが金融緩和を続ける理屈は乏しくなります。
長期利回り1.2%超えると債券シフト
米10年債利回りが一時1.196%まで上昇しました。1.2%を越えだすと株式から債券へと資金シフトが起こりだすと見られており、市場の雰囲気がガラリと変わる可能性がありますので、日々確認せねばなりません。
中長期で狙える銘柄へ
今週末で決算発表もほぼ一巡しますので、来週以降は中長期で狙える銘柄へと資金シフトすることでしょう。
日々勇太朗
相場見通し
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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