月末安・月初高はつづくのか?【転ばぬ先のテクニカル】

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米債券利回り注目集める

今週も米債券利回りが様々なマーケットの注目を集めることになります。今年最初の取引となった1月4日の米10年債利回りは0.9%程度でした。1月12日に1.185%まで上昇後、1月27日には1.005%に低下。2月に入り上昇が顕著となり、25日には1.555%まで急上昇しましたが、先週末の米国市場では1.437%に低下して2月相場を終えました。

利回り低下で買戻し優勢

昨日の東京市場寄り付き前先物市場では1.386%まで更に低下したことで東京株式市場は買い戻し優勢のスタートとなりました。日経平均は先週金曜日は1200円安となりましたが、その下げ幅の半分を取り戻した格好です。

米2月雇用統計が最大注目

今週は経済指標の発表が多い週です。なかでも週末金曜日に発表される米2月の雇用統計が最大注目となります。1.9兆ドルの追加経済対策が米下院を通過しました。イエレン財務長官やパウエルFRB議長は、雇用改善のために必要と訴えますが、サマーズ元財務長官を筆頭に、景気過熱を懸念する声が多くなりつつあります。

予想超えれば長期金利上昇

1月の雇用統計は非農業部門の雇用増が4万9000人でした。2月の市場予想の平均値は15万人となっています。ワクチン接種が進みだしたことで大幅な雇用増予想となっています。これが市場予想を超える着地となった場合は、景気過熱からインフレ想定により長期金利の上昇が見込まれます。そのため、今月の雇用統計は非常に重要だということになりそうです。

リバランスの影響との解説だが…

マスコミはこのところ続く月末安・月初高だと伝えています。確かに1月も28、29日の2日間で971円安、2月1~3日で982円高しました。これをファンドなどのリバランスの影響と解説しておりますが、毎月同じことが繰り返されるならば、投資家はファンドに先んじて動く訳であり、それは以前の日銀によるETF買いを当て込んだ先回り買いに通じるものがあります。しかし最近はそうはなっていません。同じことを永遠に繰り返さないのがマーケットというものです。

個別物色旺盛の3月相場

3月は決算月となります。3週目の19日までには決算対策の売りなどが機関投資家から出てくることでしょう。その後は配当目的の買いが入りやすくなりますが、期末超えまで機関投資家は動けなくなります。月末にはリバランスの売りは出にくくなり、前倒しの動きになる月ではないでしょうか。そうなると個別物色が旺盛の3月相場ということになりそうです。

日々勇太朗

 

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