お昼休みの売り崩し【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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先物が230円幅下落

昨日は珍しくお昼休み時間中に日経平均先物が動きました。11時半の前場終了時は2万9540円でしたが、その後ジリジリ下落し、12時31分には2万9310円まで230円幅下げました。9時4分に3万10円高値がありましたので、700円下げた形です。平成バブルが弾けた頃、こういったことがよく起こりました。

当時は2時間もお昼休み

当時は前場の取引が11時で終わり、後場の取引は13時からスタートでした。2時間もお昼休みがあったの!?と驚かれるかもしれませんが、当時は今のように受け渡し代金が振り込みで行われることは少なく、証券マンは2時間の間に顧客先を回り、現金の受け渡しに走り回っていました。今ならあり得ないことですが、何千万円といった大金を安物のビジネスバッグに忍ばせて一度に2~3件回ることもありました。今から考えるとよくひったくり事故などに遭わなかったものだと思います。

景色一変していることも

お昼休みが2時間あるからといっても、受け渡しで忙しく、お昼休みなど無いに等しい状況でした。車を運転しながらおにぎりをほうばったり、電車の場合は駅の立ち食い蕎麦で済ましたり。当然、受け渡しのついでに営業も行います。会社を出たときには株価が上がっていたのに、戻ってきたら景色が一変していることもあり、つい半時間前にお話ししたことと真逆の方向に転換していて苦情を言われることもありました。

2時間の昼休みに先物乱高下

今では現物取引は9時~11時半と12時半~15時までの5時間取引と以前から1時間拡大。また、先物市場はお昼休みはなく、8時45分~15時15分まで一気通貫。でも当時は先物もお昼休みが現物市場と同様にありましたので、お昼休みの時間帯は東京市場に代わってシンガポールに上場されている日経平均先物が乱高下したのです。香港市場に基地局を置く外資系証券会社が多数あり、2時間の昼休みを狙って株価操縦まがいの取引が横行したのです。

今までの流れとは趣変わる

昨日はお昼休みの先物下落を受け、後場の寄り付きは売り物が持ち込まれました。上述のような売り仕掛けではなく、上海や香港市場が朝高後に売られ出したことが要因ですが、月末安後は月替わりから株価上昇で高値を抜くといった今までの流れとは趣が変わってきた印象です。まだ、中期トレンドが崩れた訳ではありませんが、雰囲気が悪くなってきました。

日本独自の悪材料の可能性

ここから株価が下げるとしたらどんな要因が挙げられるのか考えてみると、日本は独自の悪材料が噴き出す可能性があるように思います。菅政権の支持率低下もありますが、それよりも総務省の接待スキャンダルが足を引っ張りはしないか?菅総理長男の同席による放送行政を所管する許認可官庁の担当者が芋づる式に取り込まれていた事実。

今年は衆議院選挙の年

官僚たちの脇の甘さも問題ですが、政権与党がこの問題を質すことがないのは何故でしょう。安倍政権の時の森友、加計、桜を見る会の問題は与党議員からも疑惑追及がありました。しかし、今回は特段に取り上げる様子もなく無責任与党の印象です。今年は衆議院の任期満了に伴う選挙の年です。今後の動向を見ていかねばなりませんが、政治が悪材料視されないかは気にしておかねばならないかもしれません。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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