悪材料が山積した週末【転ばぬ先のテクニカル】

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ETF購入方針変更で品薄値嵩株急落

この週末は悪材料が山積しました。まず日銀がETFの購入をTOPIX型だけにすると発表したことで、日経平均採用銘柄の品薄値嵩株が急落。また米国では、アラスカ州で開催された米中外交トップ会談で、米中の対立が露呈しました。

対中交渉はより厳しい態度

トランプ大統領は厳しい打ち上げ花火を上げた後に徐々に交渉を軟化させ、落としどころを探りながら妥協するといった手法でしたが、バイデン大統領は先週ロシアのプーチン大統領を名指しで「殺人者」と指摘し、米中会談では外交トップが記者団の記念撮影中から異例の非難の応酬。米中対立は議会主導で今までよりも厳しい態度で臨むことが分かりました。米国務長官は会談後に「中国と率直な対話が出来た」としましたが、次回の会談は未定です。

SLR特例は3月末で終了

更に、FOMCで回答を延期した大手銀に対する資本規制の特例的な緩和措置を計画通り3月末で終了することを発表。パウエル議長は株価への影響を考慮してFOMC後の記者会見では言及を避けましたが、SLR特例を延長しなかったのは、株価のバブル状況をソフトランディングさせる意図がありそうで、口では言いませんが、FRBが金融引き締めに動き出したのかもしれません。

新興国通貨安加速を警戒

そこへ先日、2%の大幅な利上げを決定し通貨防衛を強化したトルコではエルドアン大統領が中央銀行総裁を罷免。そのためトルコリラが15%ほどの急落となっています。このところ新興国ではインフレに対応するため利上げする国が増えています。先週は5年8カ月ぶりにブラジルが、ロシアも2年3カ月ぶりに利上げを実施しました。新興国通貨安が加速しないか気になるところです。

ルネサス火災が痛手

21日は半導体大手のルネサスエレクトロニクスの工場火災。ルネサスは車の走行を制御するマイコンの生産大手であり、世界で2番目に売上高が高い企業です。ただでさえ年明けから世界中で半導体不足が叫ばれる中起きた火災ですので、痛手です。

高値更新期待から思わぬ急落

日経平均は2月16日に3万714円高値から3月5日の2万8308円まで押し目を入れ、先週18日の木曜日に3万485円まで上昇して高値更新期待が高まりました。しかし、週末の日銀会合以降の悪材料山積で思わぬ急落となってきました。18日の日足ローソク足は前日と翌日に窓を空ける典型的なアイランドリバーサル形状。そして高値から二空形成の急落となっており、25日線や5週線を一気に割り込んできました。

13週線で止まらなければ天井打ち

先週木曜日高値が二番天井であった可能性が高まってきました。昨年3月安値からの上昇では調整局面は13週線を若干割り込む程度で収まってきました。現在その13週線は2万8860円近辺を右肩上がりの上昇中ですので、その辺りで止まるのかどうかに注目となります。週足のMACDがデッドクロスしてきており、13週線で止まらない場合は天井打ちの可能性が出てきます。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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