材料難で方向感に欠ける
昨日の東京株式市場は材料難で方向感に欠ける展開でした。朝方は上昇スタートとなりましたが、その後はすぐに値を消す展開となり、前日終値を挟んで行ったり来たりとなりました。
機関投資家の利食い売り
新年度入りとなり、国内機関投資家は通常、まずはポートフォリオ内で利食いできる銘柄に利益確定するケースが多いものです。新年度の最初にある程度の利益を積み上げておき、心理的な余裕を作っておきたいということなのでしょう。そのため、突如として売りが持ち込まれることがあり、昨日も高値圏ではそうした利食い売りが持ち込まれた可能性があります。
下値支持線守れるか
日経平均は5日移動平均線(2万9725円近辺)を割り込む場面もあり、一目均衡表では転換線(2万9580円)を一時的に割り込ました。雲上限が2万9467円、基準線が2万9396円に位置しており、これらを割り込むケースでは調整局面入りと判断されますので、守れるかどうかです。
北京五輪ボイコットも選択肢
ところで、人権問題をめぐる米中の対立が深まるなか、アメリカ国務省の報道官が、来年の冬の北京オリンピックを同盟国とともにボイコットする選択肢も排除しないという考えを示しました。
中国の人権問題追及へ
バイデン政権は新疆ウイグル自治区での人権侵害に関わったとして、先月、EUなどと足並みをそろえる形で自治区の当局者らに制裁を科すなど、同盟国と連携して中国の人権問題を追及する方針を鮮明にしています。そのうえで「同盟国と協議してボイコットを検討するのか」と問われると「それはまさに協議したいことだ」と述べ、同盟国とともにオリンピックをボイコットする選択肢も排除しないという考えを示しました。
今後の動向を見守る
五輪憲章には、政治的・民族的宣伝活動の禁止を定めており、五輪は国家間の競争ではなくナショナリズムを持ち込むことを否定しています。しかしアメリカ国務省発言だけに、この辺りが悪材料視されている可能性もありますので、今後の動向を見ていきましょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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