25日線~75日線で保ち合い
昨日の東京株式市場は続落となりました。昨年9月以降の月末安、今年2月以降の月末安、月初高が続いていましたが、月初高が途切れました。米英市場が祝日だっただけに仕方がなかったのかもしれません。日経平均は寄り付き後に2万9075円まで上昇。75日線が視界に入ったところで戻り売りを浴びました。その後10時半ごろには2万8611円に下落し、25日線を一時割り込みました。終わってみると25日線~75日線での保ち合い相場となりました。
短期トレンドは改善中
現在、短期トレンドも中期トレンドも微妙な位置にあります。まず短期トレンドを見ると日経平均の移動平均線は上から75日線、5日線、25日線の順になっています。右肩上がり相場では上から5日線、25日線、75日線という並びになりますので、足元は調整中。ただし、5月27日までは5日線が一番下に走っていたので短期トレンドは改善中です。
75日線突破なら上昇トレンド復帰
5月25日に移動平均線に先行するMACDがゴールデンクロスを示現。5月28日の600円高により、5日線と25日線がゴールデンクロスしました。また、25日線の下落が止まりつつあり、大きな下落がなければ本日にも上向きに転換します。今後、2万9240円近辺の75日線を突破できれば上昇トレンドに復帰するでしょう。
中期トレンドも75日線突破なら…
次に中期トレンドを見ると移動平均線は上から13週線、5週線、26週線の順になっています。5週線は現在下向き、13週線も下向き、26週線は上向きで5週線に接近中。これだけ見ると中期トレンドは調整を脱するようには見えませんが、13週線が2万9190円近辺を走っているために、上述の75日線突破ならば上向きに転じる可能性があります。
一目均衡表は雲が捻じれ現象
一目均衡表では5月31日に雲が捻じれ現象を起こし、雲が右肩下がりに転じました。一目均衡表を開発した一目山人の解説書には、雲の捻じれに関する記述はありません。しかし長期間眺めていると、この捻じれが相場転換シグナルになることが多いのも事実です。
この雲は2本の計算値で成り立っています。ひとつは基準線(過去26日間の高値と安値の単純平均値)と転換線(過去9日間の高値と安値の単純平均値)の中値を26日間未来に先行させたものと、もうひとつは過去52日間の高値と安値の中値を26日間未来に先行させたものです。
好材料ないと上値突破難しい
雲は抵抗帯を示します。現在は雲の下に位置しているために、雲の下限や上限が戻り売りポイントとして意識されます。また、その雲が右肩下がりに今後展開していきますので、何か好材料が出てこないと上値突破が難しくなります。
レジスタンスライン突破できるか
28日の600円高で強気のコメントが多数聞かれましたが、3月、4月、5月高値のレジスタンスライン突破がないと短期、中期トレンドが転換することは難しいと考えます。そのポイントは日々10円程度低下しており、現在2万9450円近辺に位置します。このレジスタンスラインを突破できるのかどうかです。
下降トレンド再開なら
逆に戻り売りに押され、下降トレンド再開は短期では2万8650円近辺に位置する25日線割れ、中期では2万8700円近辺に位置する26週線割れとなります。週足のMACDが下落トレンドのままなので、直近の急騰でも大きな変化はありません。尚、長期5カ月移動平均線は2万8920円近辺に走っており、足元ではそれを割り込んできています。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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