強い銘柄に資金向かう
昨日の東京株式市場はマチマチの展開でした。今まで頑張っていたTOPIXが弱い動きを示し、方向感がありません。市場は強い銘柄に資金が向かっており、海運株が買われています。度重なる上方修正により連日高値更新といった動きとなっており、大手3社から同業の小型企業まで「船」となればなんでも買い上げられています。
急ぎ過ぎる相場は反動安に注意
こういった値動きをみると物色意欲の衰えは感じませんが、非常に過熱している銘柄が増えてきており、そろそろ取引所から規制が入ってもおかしくはありません。確かにレシオからはまだまだ割安ですが、25日線との乖離率など各種テクニカル指標が過熱しています。急ぎ過ぎる相場はその反動安に注意せねばなりません。
アフガン問題に欧州市場も反応
ところで、16日の東京株式市場は3日続落となり、日経平均は一時550円安まであり大引けは453円安でした。これは昨日お伝えしたようにアフガニスタンを反政府勢力のタリバンが制圧したことも一要因。欧州市場も反応してドイツDAXが0.32%安、英国FTSE100が0.89%安、仏CAC40が0.83%安、伊FYSE MIBが0.76%安といった具合でした。
NY市場「首吊り線」と似た形
NY市場も寄り付きは日欧安に連れ安してNYダウが一時284ドル安まであり大引けは110ドル高。S&P500も一時31ポイント安があり大引けが11ポイント高と、両指数ともに最高値を更新しほぼ高値引け。これを見て「やっちまったかな?」と思う次第。先日お伝えしたように8月17日前後がスキュー指数のピークアウトから36日目であることに加え、日足が酒田五法で言う「首吊り線」と似た形になってしまったことです。
買い方優勢も警戒の必要
首吊り線とは、窓を開けて高く寄り付いた後に長い下ヒゲをつけて陽線となった状態のローソクのことです。16日の両指数は15日の大引けよりも下からスタートしましたので窓は開いていません。しかしながら前日の陰線を包み込むような最後の抱き線にも近い形となっており、まだまだ買い方優勢で上昇エネルギーが残っているようにも見えますが、警戒の必要があるでしょう。
過剰流動性に黄信号
米国では金融の流動化の指標に一つであるマネーサプライ(通貨供給量、M2)の伸び率から名目国内総生産(GDP)の伸び率を差し引いた数値が2018年以来のマイナスに転じています。同年と2010年にこの数値がゼロを割り込んだ際は株価急落の前兆となりました。FRBがテーパリングに着手する前から過剰流動性に黄信号が灯っているだけに、17日のNYで前日の安値を割り込むケースでは急落もあり得ますので注目しましょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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