CPIショックも【転ばぬ先のテクニカル】

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人手不足で強い賃金インフレ

昨日の東京株式市場は米CPIショックにより5日振りに大幅反落となりました。注目された米8月消費者物価指数が市場予想(8.1%上昇)に反し、総合、コアともども上回りました。総合は6月9.1%→7月8.5%→8月8.3%と2カ月連続で鈍化しましたが、市場予想を上回りました。また、コアは7月の5.9%から8月は6.3%と加速しました。人手不足により強い賃金インフレが続いており、幅広くモノやサービスに値上が圧力が掛かっています。

9月FOMC1.0%利上げ予想も

この結果を受けて9月のFOMCでは0.75%利上げが優勢なものの、一部では1.0%利上げ予想も出てきました。米10年債利回りが3.413%に跳ね上がり、為替は1ドル144円60銭台と2円50銭ほどドル高へ。そしてNYダウが1276ドル安(3.94%)、ナスダックに至っては632ポイント安(5.15%)と急落しました。昨日の東京株式市場は寄り付き全面安商状でのスタートとなり、一時819円安までありました。33業種別指数は鉱業と空運以外の31業種が下落。

日本製鐵は配当狙いの買い入る

ただ、個別銘柄の動きは指数ほど厳しくないという印象です。このような急落相場では強い株に目を向けるとうのがセオリーですが、大型株では日本製鐵<5401>が46円安からプラス転換したのが目につきました。予想配当利回り6.9%で先日トヨタ自動車と車用鋼材の値上げで合意。9月中間決算前の配当狙いの買いが入っていることだと思います。

フジプレミアは新型太陽電池を世界初量産

また、再生エネルギーの施設開発のレノバ<9519>が年初来高値を更新。これを見るとフジプレミア<4237>が面白いかもしれません。東京都は25年4月から新築住宅に太陽光を義務付ける方針です。同社のパネルは一般的なパネルの約3倍の耐久性があり、4割近く軽量です。2日の日経新聞では印刷技術を使い、従来の半額で製造できる「ペロブスカイト型」と呼ばれる新型太陽電池の世界初の量産が9月に始まると報じていました。

アイスタイル出来高伴い逆行高

そして出来高を伴って逆行高したアイスタイル<3660>。アマゾン・ドット・コムが8月15日に同社と資本業務提携を発表し、300円近辺から678円まで急騰しました。その後、新規売り・現引きストップの規制が入り482円まで調整。この安値を付けた8月29日に信用取引の規制が強化され、40%の現金担保が必要となりましたが、その日の安値で底打ちし、その後485円~566円で11日間もみ合い形成。

信用規制解除されれば高値抜けから一段高

そして昨日、この下げ相場の中で逆行高を開始しました。増し担保の信用規制中ですが、連日出来高は高水準を維持していることを見ると、恐らく信用ではなく現物で売買されているものと思われます。まだ解除にはしばらく時間が掛かるものと思われますが、解除されれば高値抜けから一段高へと進みそうな気配です。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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