FOMC声明受け乱高下
週末4日の東京株式市場は大幅続落となりました。FRBは11月2日のFOMCで0.75%利上げを決定しました。これは市場の予想通りの結果でした。焦点は12月以降の政策運営で、声明では12月の利上げ幅縮小の可能性をにじませたため、株価は声明発表直後に上昇しましたが、議長会見が進むにつれ、下落が強まる乱高下の展開になりました。
全体としてタカ派と受け取める
パウエル議長会見でも12月FOMCで利上げ幅を縮小する可能性には触れましたが、重要なのは12月の利上げ幅よりも、利上げ打ち止め時の最終的な金利水準(ターミナルレート)が9月の想定より高くなっていると指摘。この発言を市場は「全体としてタカ派」と受け取めました。そのため2日のNYダウは505ドル安、3日も146ドル安と続落しました。
東京市場は売られ過ぎ
このような流れを受けた東京市場は下放れてスタートし、時間経過とともに下落幅を拡大。4日は米10月雇用統計の発表があるために週末事情も重なりポジション調整の売りが出ているようで、2万7000円攻防となりました。ただ、アジアマーケットをみると香港や上海は株価が急騰。シンガポールは高く、台湾が小幅安で東京市場は売られ過ぎていると感じました。
海外投資家売り転換に注意
恐らくAIなどを活用し先物中心に短期トレードを繰り返すCTA(商品投資顧問業者)が寄り付き以降の下落により彼らの想定レベルを超えたことから、ポジションをアンワインドしているものと思われます。気をつけねばならないのは、海外投資家が売りに転換してしまわないかということです。先週強かった大型株の下落が大きくなっており、これらがトレンドを崩してしまうのかどうかに注意する必要がありそうです。
ヘッジ売り交えて戦う必要
例年であれば10~11月の下落は年末~年始高への仕込み場というケースが多いのですが、今週、水曜日に日経平均の終値が2万7680円に届かない場合、75日線が下向きに転じてしまいます。そうなると上値は重く、戻り売りへと流れは変わり、厳しい年末相場ということもあり得ます。ヘッジ売りなど交えながら戦う必要がありそうです。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄
コメント