日経平均3万円台回復【転ばぬ先のテクニカル】

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こまで強いとは予想できず

昨日の東京株式市場は5日続伸し、1年8カ月ぶりに3万円台を回復しました。それにしてもここまで相場が強いとは正直予想できませんでした。東京証券取引所による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善要請や、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株への追加投資を契機とした見直し機運、更に、植田新日銀体制の下での金融緩和継続などにより海外勢の日本株への投資配分比率が見直されているものと思われます。また、デフレ体質が染み付いていた日本で、賃金上昇によるインフレ定着という構造的な変化が起きつつあることを評価している部分もあるのでしょう。

日経平均PERは14.1倍に低下

ところで、決算発表途上で日経平均EPSが2005円(5月10日)に急低下し割高感が出てきたとお伝えしましたが、今週月曜日の637社の決算発表終了後には2106円まで上昇し、PERは昨日段階で14.1倍に低下しました。S&P500が19.3倍、NYダウ30種が21.4倍に買われているため割安だといった見方が日本株優位の法則のようです。ただし、S&P500のPERはコロナ禍の2020年~21年は過剰流動性相場で株価が急騰し、一時PERが24倍ぐらいまで上がったことがありますが、この期間をのぞけば19倍台が天井圏でした。今の米国株の株価は高すぎると言う意見もあります。

目標達成感から売られる銘柄目立つ

さて、日経平均が3万円を付けたことで個別では目標達成感から売られるものが目立ってきました。昨日のプライム市場の騰落数は下落銘柄のほうが多くなっています。業種別指数も半分が値下がりしました。何よりも16日段階の25日騰落レシオは148.8%になりました。騰落レシオとは25日間の値上がり銘柄と値下がり銘柄の比率で、同数ならば100%です。一般に120%を超えると過熱圏、70%を下回ると底値ゾーンとされています。148%台は確か2021年以来の超過熱ゾーンであり、ここで買うべきではないということ。

買われ過ぎた相場は反動大きくなるケースも

また、16日の先導株比率は26.6%でした。先導株比率というのは1日の総出来高に占める上位10銘柄の比率のことで、特定銘柄に売買が集中していることを示しますが、通常は15%~30%程度で推移します。2021年9月から10月に日経平均が3万円台に乗せたとき、10月以降に急上昇し、24%を超える日が数日続きましたが、その後の日経平均は1週間で2万7000円台に急落したケースがあります。買われ過ぎた相場の上昇が止まると、その反動が大きくなるケースもありますので、ここで慌てて買うことは慎まねばならないと考えます。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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