日経225構成比率【転ばぬ先のテクニカル】

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6日続伸し一昨年9月高値に迫る

昨日の東京株式市場は6日続伸し、一時3万667円高値までありました。一昨年9月の高値(3万790円)に迫りましたが、25日移動平均線の乖離率がちょうど6%となり、通常の過熱上限である5%を超えたことで警戒したものと思われます。それにしても3万円台乗せで達成感が出るかと思いましたが、更に上値を追うとは思いもしませんでした。

225銘柄ごとに日経平均構成比率違う

しかしこんなに上げているのに、自分の保有株はそんなに上げていないよね、といった声が多いと思いますが、これにはカラクリがあります。日経平均はプライム市場の中で代表的な225銘柄で構成されています。しかし、225銘柄ごとに日経平均に与える構成比率は違います。

構成比率上位20銘柄で51%

現在、構成比率トップはファーストリテイリングの11.0%です。以下、東京エレクトロンの6.11%、ソフトバンクグループの3.46%、アドバンテストの3.17%、ダイキン工業の3.02%と続きます。一方、ワーストは三菱自動車、東京電力、三井E&S、日本板硝子、りそなHD、神戸製鋼、三菱製鋼の0.01%です。実は225銘柄のうち構成比率上位20銘柄で51%になるのです。

構成比率は採用後の株価推移で決まる

個々の銘柄の構成比率は日経225銘柄採用時に決まるものではありません。構成比率は225銘柄採用後の株価推移により決まります。例えば構成比率第1位のファーストリテイリングは、今でこそ構成比率は11.22%ですが、日経平均株価採用時の構成比率は2.73%しかありませんでした。

ファーストリテ採用当初は2.73%

ファーストリテイリングは2005年8月26日に日経225銘柄へ採用が決定しました。当時の株価は8180円で当時の除数は24.04、日経平均株価は1万2439円でした。みなし額面は50円なので、組み入れ当初の構成比率は2.73%だったのです。※8080円×50円÷50円÷24.04=約340.26円÷日経1万2439円=2.73%。

株価上昇と株式分割で11.0%に

しかし昨日の株価は3万3360円です。しかも今年2月に1対3の株式分割が行われました。3万3360×3倍×50円÷50円÷29.5(現在)=約3392円÷日経3万573円=11.0%といった具合です。

業種別セクター比率も影響

また、採用銘柄の業種別セクター比率も影響を与えます。34業種を技術、金融、消費、素材、資本財、運輸・公共の6セクターに分けると、技術のウェートが41%、消費が27%、素材が15%、資本財10%、運輸・公共が3%、金融が2%となります。即ち製造業の比率が高いということです。このように見ていくと、構成比率上位の製造業セクターだけ買い上げれば指数は上がるということです。

東エレク減収減益決算も15%上昇

現在、構成比率2位の東京エレクトロンは5月11日に決算が発表され、今期の売上高が23%減、営業利益は36.4%減と発表。翌日の株価は一時245円安の1万5640円まで売られましたが昨日は1万8370円です。通常なら市場予想を下回る減収減益決算ならば叩き売られるものですが、株価は決算翌日の安値から15%も上昇しているのです。

アドテストも決算発表日終値遥かに超える

同様に構成比率4位のアドバンテストの決算も2桁の減収減益でした。決算発表翌日の株価は1070円安の1万550円でしたが、昨日は決算発表日の終値1万1620円を遥かに超える1万4320円です。

原因は海外投資家の先物買い

こうした株価推移の原因は海外投資家の先物買いによるものです。毎日の先物やオプション手口を観察すると、海外勢はほぼ毎日買い越しています。すると構成比率上位銘柄が自然と爆上げするという仕組みです。となると、彼ら海外投資家がどこで先物・オプションを利食いするかということです。

そろそろ手仕舞に転ずる頃合い

日経平均の日足は三空形成となりました。そして移動平均線乖離が5.8%。連日、日経225主体の上昇でTOPIXが追い付きません。NT倍率(日経平均÷TOPIX)は5月10日の13.91倍から昨日は14.1倍に拡大しました。AIも過去のデータに則って、そろそろ手仕舞に転ずる頃合いが近づいていると思われます。イメージは昨日で目先的な天井を打ったか、1日~数日、前日比マイナスの調整後、再度高値を抜いたところで天井打ちというものです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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