債務上限問題の今後【転ばぬ先のテクニカル】

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米債務上限問題暫定合意で年初来高値

昨日の東京株式市場は大幅高で寄り付き、3日続伸で年初来高値を更新しました。懸案の米債務上限問題はバイデン大統領とマッカーシー下院議長の間で暫定合意しました。期日ギリギリでの合意は予想されていたものですが、合意内容の詳細は発表されておらず、これから合意法案が上下両院議員に配布され、まずは下院議員の間で72時間精査されることになります。

修正法案追加できるためまだ安心出来ず

もし、提出された法案の文面に修正が入るようならば、その都度、投票が行われます。下院で可決されれば、その法案が上院に送付されます。
その場合、この債務上限法案とは全く関係がない修正法案を追加できるので、進捗を妨害するための手段としてもよく使われます。なので、暫定合意したからといって、まだ安心は出来ません。

短期証券大量発行は流動性吸収

また、上下両院で可決された後は、米財務省が大量の短期証券の発行により資金調達へと進みます。米国家の現金残高は現在390億ドル程度と2017年以来の低水準になっており、今後、7~9月(第3四半期)末までに1兆ドル(約140兆円)の財務省短期証券を発行し、現金残高を再拡大させるということになるようで、こうした大量発行は金融市場から著しい流動性を吸収することが懸念されるということ。FRBがバランスシートを縮小していることを踏まえれば、市場への圧力が強まるものと思われます。

各国の株式市場は理解に苦しむ展開

それにしても、各国の株式市場は理解に苦しむ難しい展開が続いています。先週を振り返ると、米国では、ダウ平均が先週末(金曜日の上昇前)に8週間ぶりの安値を更新したのに対し、ナスダックは1年以上ぶりの高値に急騰しました。ヨーロッパやアジアの株式市場でも、真逆の方向に引っ張られる展開となりました。オランダのAEXは週末に急騰し年初来高値に近づきました。しかし、英FTSEは3月初旬の位置まで下げました。ドイツのDAXは5月第3週に史上最高値を更新しましたが、先週の大半は下降トレンドにありました。

資金の流れ見えないのは悩ましい

日本の日経平均は先週33年ぶりの高値を更新し、インドのSENSEXは12月15日以来の高値に急騰。しかし、香港のハンセンと中国の上海総合は数カ月ぶりの安値に急落し、オーストラリアのASXOは6週間ぶりの安値となったのです。このような正反対の動きをすることは珍しい現象であり、資金の流れが見えないことは悩ましい問題です。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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