単なる押し目か二番底か底割れへ向かうのか
本日の東京株式市場は3日続落で、日経平均は一時688円安の3万6359円まで下落しました。ここでの関心事は、足元の下落が単なる押し目なのか、二番底形成へ向かっているのか、高値から三段下げとなる底割れへと向かうのか、という3点でしょう。
7月11日の4万2426円からは3万7611円安値、3万9188円戻り高値、3万1156円安値、3万9080円高値、そして本日の3万6359円安値と推移してきました。
単なる押し目なら今朝の3万6359円で底打ち
この下げが単なる押し目であれば、3万1156円安値から3万9080円高値までの7924円幅の上昇に対し、フィボナッチ数列の38.2%押しとなる3万6050円程度の下落で済むという見方ができ、今朝の3万6359円で底打ちしたとも考えられます。
二番底形成へ向かっている確率高い
もし押し目ではなく、二番底形成へ向かっている場合は、7924円幅の上昇に対し、50%押しとなる3万5100円ないし、61.8%押しの3万4200円程度まで調整が進むと考えねばなりません。7月高値から二段下げへと向かう中間反騰高値となった3万9188円を抜けられずに急落したことで、二番底形成へ向かっているという確率が高いのではないかと思います。
三段下げによる底割れが生じるケースでは…
一方、4万2426円から三段下げによる底割れが生じるケースでは、4万2426円~3万7611円 下降第1波 (4815円幅:11.3%)
3万7611円~3万9188円 下降第2波 (1577円幅:4.19%)
3万9188円~3万1156円 下降第3波 (8032円幅:20.4%)
3万1156円~3万9080円 下降第4波 (7924円幅:25.4%)最高値から26.5%
3万9080円~3万6359円 第五波進行中
PER10.5倍に低下し可能性は非常に低い
下降第1波が4815円幅に対し、その安値から下降第3波安値までが6455円幅でした。通常は3波が一番大きな値幅を伴うことから、第5波のボトムへの値幅はそれより小さくなり、第一波の値幅4815円と同等なら2万6340円、第1波幅と第3波幅の中間幅なら5635円幅となり、2万5520円が計算できることになりますが、現在の日経平均の一株利益は2420円ですので、PERが10.5倍に低下してしまうことを考えれば、可能性は非常に低いと言えるでしょう。今後、急激な景気後退が起こり、企業収益が大幅下方修正されない限り、大丈夫と思われます。
NY市場では長期金利低下し逆イールド解消
ところで、4日のNY市場では7月のJOLTS求人件数が予想以上に減少したことから、大幅利下げの思惑が強まり長期金利が低下しました。そして、2022年7月に2年債利回りが10年債利回りを上回る逆イールドとなりましたが、昨日、逆イールドが解消されました。逆イールドはリセッション(景気後退)が始まる直前に解消される傾向があります。景気後退が迫っている時は、中央銀行が利下げを開始し短期債利回りを低下させるからだと考えられます。
週末の8月雇用統計は非常に重要
現在の米債券先物市場では、年内に1.0%の政策金利下げが予想されていますが、年内残された連邦公開市場委員会(FOMC)は3回です。マーケットでは通常の0.25%に加え、0.5%利下げを織り込んでいることになります。急激な利下げが行われるケースでは、深刻なリセッションが伴うものであり、その場合、利下げ期待で買われた株価は逆に売られるものであり、今週末の8月雇用統計は非常に重要だということになります。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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