12カ月で一番パフォーマンスの悪い月
先週の東京株式市場は4週ぶりに反落しました。8月初旬の暴落から3週間のリバウンドで2日には日経平均が3万9080円と7月末水準まで戻りました。しかし、9月は苦月と言いますか、12カ月の中で一番パフォーマンスの悪い月です。その洗礼をいきなり受けだした印象です。
相場はダウントレンド再開
結局、日経平均は75日線を超えたところで息切れし過去2週分の陽線を包み込む陰線包み足となりました。と同時に、13週線と26週線が収斂する3万8500円近辺を割り込み、両線が下方転換しました。既にデッドクロスしているストキャスティクスに加え、MACDもデッドクロスし、相場はダウントレンドが再開したものと思われます。週末6日は日経平均が4日続落、TOPIXが3日続落となりました。
雇用統計予想下回れば0.5%利下げ観測高まる
5日のNY市場では6日の8月雇用統計の前哨戦となるADP民間雇用報告が発表されました。非農業部門の民間雇用数は9.9万人増と、市場予想の14.5万人を大幅に下回り、2021年1月以来の低い伸びとなりました。また、7月分も速報値の12.2万人を11.1万人増に下方修正され、労働市場減速の兆候を改めて示しました。雇用統計は非農業部門の雇用増が16万人、失業率は4.2%が市場予想です。この数字を大きく下回る場合は17日~18日のFOMCで0.5%利下げ観測が高まるでしょう。
急ぎ利下げするケースは株価大きく落ち込む経験則
現在のマーケットは利下げ期待で高水準を維持していますが、実際に0.5%引き下げとなった場合、果たして株は買われるだろうか?FRBの判断遅れで急速に雇用が減少し、個人消費が急速に冷え込むことを懸念し、株価が売られる可能性はないのだろうか?この問題は難しいですが、過去、緩やかな利下げでは株価は好感するケースが多く、逆に急ぎ利下げをするケースでは、株価は大きく落ち込んでいったという経験則があり、いきなり0.5%利下げなら、後者の反応になるような気がします。
週足の窓埋めへ向けた下落なら年内最後の買い場
ダウントレンドが再開されたことで、日経平均の下値の目途は週足の窓埋めとなる3万5089円が有力となります。このレベルは8月5日安値から9月2日高値までの上げ幅の半値押し水準であり、尚且つ、一目均衡表の転換線も位置していることから、ここへ向けての下落となれば年内最後の買い場となりましょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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