日米交渉【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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エヌビディアが時間外で急落

本日の東京株式市場は反落しました。
中国が国内航空会社にボーイング社の航空機受け取り停止を指示したとの報道を嫌気し、NYの主要3指数が揃って下落したことに加え、AI半導体大手の米エヌビディアが、中国向けに設計したAI半導体「H20」が米政府による輸出規制の対象になったと発表。
その上で2025年2~4月期に最大55億ドル(約7900億円)の費用を計上すると伝わり、同社株が時間外取引で急落したことが重荷となりました。

太陽線の中での孕み継続

日経平均は3月26日の3万8220円から4月7日に3万0792円まで7428円幅下落。その後、4月10日に3万4639円まで3847円幅(51.7%)戻しと半値戻しを達成しました。
その後4日間は4月10日の大陽線(2319円幅)の中での孕みの動きが継続しています。
一方、TOPIXは3月26日の2821.9ポイントから4月7日に2243.21ポイントまで578.69ポイント下落。その後、4月10日に2545.31ポイントまで302.1幅(52.2%)戻しと日経平均同様に半値戻しを達成しました。そして、こちらも日経平均同様、4日間大陽線(150.65ポイント幅)の中での孕みの動きが継続しています。

4日間の孕みのローソク足は全て陰線

陽の陰孕みとなった場合は3日目が上か下かで判断するのが通例であり、日経平均、TOPIX共に上を取ったことから上昇トレンドは継続していると判断されますが、
問題は4日間の孕みのローソク足は全て陰線だということです。寄り付きは高いものの、その後、戻り売りに押されている展開が続いており、上値の重さが強調されているということになります。

信用買い残整理は進展

今回の急落で信用買い残はかなり整理されました。
3月28日の買い残は21日比1066億円増の4兆5791億円でした。3月11日の日経平均3万5987円から26日の3万8220円までの反騰局面で増加したことが伺えます。それが4月4日には前週末比1094億円減少し4兆4696億円となりました。
3月28日の終値は3万7120円でしたが、3月31日に下放れ3万6440円から3万3780円に急落した週です。前週比3340円(約9%)もの下落となった割に投げ売りは限定的でした。

7日の急落でダメ押し

恐らくこの局面では追証発生に伴い現金担保を積み増して維持率割れを回避したものと思われます。
ところが翌週の4月7日は更に急落して日経平均は一時3万792円まで急落となり、この局面ではたまらず投げ売りが殺到し、4月11日段階の買い残は前週比5188億円減の3兆9508億円となりました。この3兆9000億円台は昨年8月急落時の8月9日の3兆9634億円とほぼ同額であり、ある程度、買い残整理は進んだものと思われます。

裁定買い残は整理進まず日経VIもまだ高い

まだ整理が進んでいないのが裁定買い残です。
ピークは3月28日の10億7703万枚で、昨日段階では9億3088万枚と1億5000枚近く減りましたが、2月下旬から3月上旬は7兆円前後で推移していましたので、まだまだ整理途中と言えそうです。
今後、解消売りが更に進むケースでは、再度下押して二番底形成へと進む可能性があります。
また、恐怖指数の日経平均VIは4月9日の62.46から、本日は35台まで下げたとはいえまだ高く、早期に25以下へと低下しなければボラティリティの高い値動きが続くことになりましょう。

マーケットは弱気目線か?

明日、赤澤経済再生担当大臣がベッセント米財務長官やグリア通商代表部代表との日米交渉が行われます。
ただ、赤澤氏は恐らく全権大使ではないと思われ、単独訪米で得るものは少ないのではないかと思います。
米国からの要求は関税問題だけでなく、通貨(円安対応)や防衛費(GDP比3%程度の要求)、農林水産品も含まれていると思われ、加藤財務大臣や中谷防衛大臣、小里農林水産大臣不在では対話の進展は少なく、沢山の宿題を持ち帰らざるを得ないのではないでしょうか。
その意味では、マーケットも弱気で見る必要があるのかもしれません。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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