「転ばぬ先のテクニカル」~値下がりリスク高まる

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞

今週の最大の注目点は28日のトランプ大統領の議会演説です。日本時間では3月1日の11時頃にあたり、11月9日の大統領選挙開票時同様に、演説次第では取引時間中にまた右往左往させられるのかもしれません。

昨日の東京市場は流石にNYダウが11連騰となっており、警戒感が広がりました。余程のサプライズが発表されないと織り込み済みとなるかもしれないという不安です。日経平均は一時1万9000円を割り込む場面がありました。

このところ1万9100円前後が下値の固い位置として意識されているようで押し目買いが入り、大引けベースではやはり1万9107円まで引き戻して取引を終えました。しかし、ザラ場で1万9000円を割り込んだことで、方向は明らかに下向きになったものと思われます。

1月5日の1万9615円高値以降は1月18日の1万8650円安値内での約1000円幅の中で保ち合ってきました。

1万8650円~1万9486円~1万8805円~1万9519円~1万9115円と下値・上値を切り上げる展開でした。

細かく波動を提示すると、1万8650円~①~1万9176円~②~1万8783円~③~1万9486円~④~1万8805円~⑤~1万9519円と5波動の上昇後、1万9519円~①~1万9115円~②~1万9419円~③~1万8995円と推移しています。昨日の下落で2月20日の1万9115円を割り込んだことで下値を切り下げてきました。

NY株高と相まって年初来高値超えが期待されましたが、1万9500円の壁は厚く斜行天井形成となったようです。終値では25日移動平均線だけでなく、週足の13週移動平均線を割り込んできました。日足MACDがデッド・クロスし、一目均衡表の転換線は下向きに、そして終値は基準線を下回ってきています。

雲の上限は辛うじて守っていますが、このところお伝えしておりますように警戒警報が更に濃く点滅してきたように感じます。週足のボリンジャーバンドは急速に縮小均衡してきており、下放れしつつあります。26週線(1万8242円)や週足一目均衡表の基準線(1万7863)円を視野に値下がりするリスクが高まってきています。

このような場合、賢明な投資家ならば、買いは見送り、ポジションを出来るだけ軽くして様子を見て行く局面ということになりましょう。東証一部やNY市場が大きな調整局面に入っていくのであれば、今まで強いものにつくとしていた新興市場も思わぬ逆風が吹くことが予想されます。

株式投資で何が難しいかというと、それは「売り時」です。リスクが高まりつつあると感じたならば、一度現金比率を高め、その考えが間違っていたと気づいたときは再度買えば良いのです。銘柄に惚れ込んだり、含み益が大きいからと慢心することが一番危険です。下げても日銀が買ってくれるから大丈夫という安心感が蔓延すると、投資家の思考を間違った方向に導いてしまうことが起こります。

誰も今暴落を予想していないようですが、私は長年罫線を眺めてきて感じることですが、非常に危険な状況を迎えつつあるように感じています。単なる調整局面であれば良いのですが、今は私の危惧が間違いであることを願うばかりです。

日々勇太朗

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