ナスダック、調整局面入りか?【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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ザラ場最高値更新もその後は高値警戒感から利食い

先週の東京株式市場は反落しました。日経平均、TOPIXともに週初18日にザラ場の最高値を更新しましたが、その後は高値警戒感から利食いが持ち込まれて日経平均の週足は前週の上放れ陽線を陰線で包む陰線包み足。TOPIXは先週の上放れ陽線に陰線が差し込みました。4月安値以降の上昇でTOPIXの差し込み陰線は6月最終週に続く2本目です。

パウエルFRB議長講演前段階でのテクニカル分析

さて、この原稿はジャクソンホールのパウエルFRB議長講演前に書いています。講演内容次第でNY市場の東京市場も大きく動く可能性がありますが、その前の段階でのテクニカル分析を書いてみます。

NYダウは25日線が下値支持線として機能

まず、NYダウはザラ場の史上最高値は更新しましたが、終値ベースでは抜けていません。21日時点の今週の週足は先週の大陽線の中に陰線が孕んだ格好です。日足は5日線を割り込んで5日線自体が下向きに転じていますが、25日線が下値支持線として機能している形です。

ナスダックが一番押し目を形成

一方、S&P500の週足は陰線形成で5週線にタッチしています。日足は25日線のところまで下げてきました。ナスダックが一番押し目を形成しており、週足は5週線を割り込んできました。日足は2日連続で25日線を割り込んでおり、5日線と25日線とのデッドクロスが近づいています。一目均衡表でもナスダックだけが基準線、転換線を割り込んでおり、遅行スパンが日々線に接近。ナスダック市場は調整局面入りしたものと思われます。

日経平均はナスダックとの連動性高く警戒警報

日経平均は米主要3指数の中でもナスダックとの連動性が高いため、ナスダックが更に調整色を深めるとその影響を受けることになりましょう。特に最高値から陰線包み足となったこと、一目均衡表の転換線を割り込んできたことは警戒警報と言えましょう。

TOPIXは銀行株強く崩れ見られず

一方でTOPIXは転換線を割り込まずに過ごしています。これは銀行株が強いことで崩れが見られないということでしょう。銀行株指数は8月15日の461.46ポイント高値から押し目を形成しましたが、週末には5日線上を回復してきました。

2030年頃まで銀行株が主役となるやも

足元で10年債利回りが1.615%と2008年以来の水準に上昇してきたことが材料視されています。10年債利回りチャートは年足で7年連続上昇となっていますが、週足では今年3月の1.59%から4月の1.105%まで調整低下して高値を更新しており、ゆくゆくは倍返しの2.075%を目指すと思われます。となると2030年頃まで銀行株が主役となるやもしれません。

注目材料はエヌビディア決算とPCEデフレーター

さて、8月も最終週迎えます。今週の注目材料は27日(水)のエヌビディアの決算と週末29日の米7月個人消費支出(PCEデフレーター)です。PCEデフレーターはFRBが重視するインフレ指標であり、9月利下げを占う上で重要です。

日々勇太朗

 

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