日経平均大幅反発、TOPIXは5日続伸
本日の東京株式市場は日経平均が大幅反発、TOPIXは5日続伸となっています。日経平均は一時862円高の4万8597円高値までありました。ただし、この上げはソフトバンクグループ1社によるものと言っても言い過ぎではありません。
SBG1社で日経平均を475円程度牽引
SBGは昨日スイスの重電大手ABBからロボット事業を買収すると発表しました。AIとロボットを融合させて製造分野の革命を主導するためとしています。このニュースを好感した今朝の株価は10%を超える上昇で、SBG1社で日経平均を475円程度牽引しています。
買収ニュースは昨日取引時間中に流れたが…
でも不思議なんですよね。この買収ニュースは昨日の取引時間中の14時半ごろに流れたのですが、株価に反応なく420円安で取引を終えていたのです。一晩でどうしてこんなに評価が変わったのか。また、プライム市場の騰落数は値上がり928、値下がり623と全面高ではありません。いかにSBG効果で日経平均が引っ張り上げられているかということ。
海外ニュースをいくつかピックアップ
さて、昨日の海外ニュースをいくつかピックアップしておきましょう。
・国際通貨基金(IMF)とイングランド銀行(BOE)が、急激な株価調整のリスクを指摘
・IMF専務理事「AI楽観論が転換すれば世界経済に打撃」
・BOE「AI期待が剥落すれば、金融の脆弱性に」
・収益対比の株価や、市場におけるAI関連のシェアの高さに懸念(ドットコムバブルに匹敵)
IMFとBOEが同日にAIバブルへの警戒示す
といった具合に偶然だと思いますが、IMFとBOEが同じ日にAIバブルへの警戒を示したことを欧米メディアで大きく取り上げらていました。しかし、だからバブルが弾けるかというと、こういった指摘は関係ありません。
1996年からのS&P500を想起
1996年12月、S&P500の年間上昇率が約21%となり、株価収益率(PER)が平均して19倍強という中で、当時のFRB議長だったアラン・グリーンスパン氏は上がり続ける株式相場に対し「根拠なき熱狂が過度に資産価格を押し上げ、その後日本で過去10年間起きたような予想外の長期にわたる縮小にさらされてしまう局面を、我々はどうやって知るのだろうか?」と警鐘を発しました。しかし、当時750ポイントだったS&P500はその後も上げ続け、1999年には1469ポイントまで上昇していきました。
オラクルはオープンAIと約44兆円のクラウド契約
ただ、最近のAI関連企業同士の業務提携などは事業規模が大きすぎてピントきません。先日、オラクルはオープンAIと約44兆円のクラウド契約を結び、株価は急騰しました。約5年の契約でオープンAIが人口知能(AI)の運用のために必要な環境をオラクルに提供するというものです。
借金で未来を描く構図は限界を孕む
オープンAIは7月、オラクルと米国内で電力容量4.5ギガワット相当のデータセンターを開発することで合意したと発表しており、両社はソフトバンクグループなどと共に米国のAIインフラを整備する「スターゲート」計画に参加していることで、データセンターへの投資を増やしていますが、負債比率は520%と突出し、借金で未来を描く構図は限界を孕んでいます。
生き残りは一部で多くの企業は淘汰される
25年6~8月期は、契約残高が5月末比3.3倍の4550億ドルに拡大したと発表していますが、AI投資に沸く今、生き残りは一部で、多くの企業は淘汰されていくというのが過去の経験則です。熱狂のあとは、「つわものどもが夢のあと」となったのが2000年のITバブルでした。こうした経緯は頭の隅に入れておかねばならないでしょう。
SQ通過後の動きを見ていく
さて、明日はオプションSQとなります。SQ通過後の動きを見ていきましょう。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp


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