一時2423円安の4万9073円
本日の東京株式市場は急落し、日経平均は一時2423円安の4万9073円まで売られる場面がありました。
NY市場ではナスダック指数2%超の下落
4日のNY市場ではゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーのCEOがAIブーム後の市場の調整を警告したことを嫌気した他、マイケル・バーリ氏率いるヘッジファンドのサイオン・アセット・マネジメントがエヌビディアとパランティア・テクノロジーズ株に弱気のポジションを持っていることを開示したため、エヌビディアが5%超、パランティアが8%弱急落したことでアドバンス・マイクロデバイスやインテルなどにも売りが波及しており、ナスダック総合指数は2%超の下落となりました。
サイオンはAIバブル崩壊に掛ける
サイオン・アセットは2008年の金融危機の前に住宅市場の崩壊に掛けた「世紀の空売り」で名を馳せたファンドです。今回はエヌビディアとパランティアのプットオプションに11億ドルを投じたということですが、これは彼のポートフォリオの80%に相当するもので、AIバブルが間もなく崩壊すると掛けているのです。
仮想通過市場も急落
また、昨日は仮想通過市場も急落しており、ビットコインは5%近く、イーサリアは9%近い急落。更に金や銀、プラチナなど、商品先物も大きく下落しており、世界の金融市場が急速に冷めてきた印象です。
10月の逆回転始まる
日経平均は先月、終値ベースで2000円以上上げたのが1回、1000円以上上げたのが4回。逆に1000円以上下げたのが1回だけでしたが、今月に入り昨日の914円安、本日の1000円以上安と、10月の逆回転が始まったようです。昨日もお伝えしましたが、SBG、アドバンテスト、ファーストリ、東京エレクトロンの4社で、日経平均構成寄与度が37%のため、これらがズッコケると、こうなります。
巨額投資が利益生み出すまでどのぐらいの時間
異常な上げの後には異常な下げがあってもおかしくはないのです。割高なバリエーションに加え、大手IT企業の巨額な循環取引によるデータセンターへの投資が利益を生み出すまでにどのぐらいの時間を要するのかといった懸念が高まってきたということでしょう。
2000年のITバブル時は…
あの2000年のITバブルでも来る日も来る日もソフトバンクと光通信が買われ続けました。そしてある日突然バブルが弾け、光通信株は20日間連続ストップ安し、最高値の24万1000円が895円まで暴落するという恐ろしい光景が繰り広げられました。同じことが起こるとは思いませんが、短期急騰しただけに、それなりの値幅調整は必要でしょう。
トレンド崩壊に至っていないが…
日経平均は5万円大台を割り込む場面がありましたが、中国が対米24%関税を1年間停止し、適用関税率を10%にすると中国政府が発表したことで、押し目買いが入り、大台を回復して取引を終えました。日経平均は25日線手前で、TOPIXは瞬間割り込んだところから戻しましたのでトレンド崩壊には至っていません。
戻り売り圧力高まり好材料への反応は一時的
ただ、今までイケイケドンドンだっただけに、今後は戻り売り圧力が高まることとなりそうで、上値が重く今後二段下げに進む場合は、今まで無視されてきた懸念材料に反応するようになり、売られ過ぎのリバウンド局面でも好材料への反応は一時的となりそうです。
フィボナッチ指数当てはめると4万4153円
今年4月のトランプ関税暴落安値は3万792円で昨日高値が5万2411円ですので、上昇幅は2万1619円という大きな値幅となりましたので、フィボナッチ指数の38.2%押しを当てはめると4万4153円という数字が計算できますが、これは日経平均と言う歪な指数故、そのぐらいの下落が起きても驚きには当たらないということ。
割安バリュー株へ資金シフト
昨日段階の日経平均のEPSは2662円でPERは19.3倍でした。仮に4万4000円台まで下落してPERは16.5倍なので通常の水準です。一方でTOPIXのPERは10月末で17.5倍でした。仮に16.5倍まで低下するならばTOPIXは3140ポイントと計算でき、今朝の安値から60ポイント程度です。AI半導体株の調整が極端に進んでも、今まで見向きもされなかった割安バリュー株へと資金が回っていくことが考えられ、今後は物色銘柄が大きく変わる可能性が高いのではないかと考えています。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp


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