転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞

欧州政局混迷で大幅続落

 昨日の東京株式市場は大幅続落となりました。日経平均は一時2万1931円安値まであり、75日線のところまで下げてきました。スペイン政界の汚職問題に加え、イタリアの政局混迷により欧州各国の国債が売られ、それがNY市場にも飛び火したことが悪材料です。

イタリア予断を許さず

 イタリアでは五つ星党首がマーケットの混乱を理由に再度連立政権協議に入る可能性を示唆。大統領の弾劾も求めない考えを明らかにしていますので、落ち着けば良いのですが、まだ予断を許さない状況ではあります。仮に連立政権が樹立できない場合は再選挙になる模様ですが、その場合の政権選択はユーロ離脱の有無を国民に問う選挙となりそうです。

EU離脱は難しい

 ただ、イギリスに続いてイタリアがEUを簡単に離脱できるのかというと、それも難しいのかもしれません。イギリスとの違いはイタリアは通貨統合しているということが挙げられます。昨年、ドラギ総裁は、イタリアのユーロ圏からの離脱は可能であるが、「ユーロシステムから離脱する場合は、その国の中央銀行がECBに対して抱えている負債を完全に清算する必要がある」と離脱の条件を提示しました。

巨額の負債

 巨額の負債を抱える国にとっては、条件を満たすことは困難であるため、当時、離脱への牽制とも捉えられました。イタリア中央銀行が抱えている負債は、2016年11月末時点で3586億ユーロにのぼり、2015年度GDPの22%に相当する額であったことから、ユーロまたはイタリアリラに戻り、リラの切下げを実施しても負債の清算は大変困難であると思われます。

日足は三空形成

 さて、市場は今週末の米雇用統計や来週末のメジャーSQなど、欧州危機とともに手控え理由がありますが、日経平均の日足は昨日で三空形成となりましたので、ここでは一旦リバウンドが出てもおかしくありません。

反発には為替の落ち着き必要

 反発にはユーロ円、ドル円の落ち着きが必要ですが、ユーロ円は一昨年6月の109.54円から本年1月の137.47円まで27.93円の値幅に対する半値押し水準(123.50円)に接近。ドル円は本年3月の104.63円から5月の111.38円まで6.75円の値幅に対する108.00円に接近。そろそろ反転機運の高まりが期待できる局面を迎えております。

日々勇太朗

相場見通し

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