下放れタスキ後は【転ばぬ先のテクニカル】

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日足の形は非常に悪化

 昨日の日経平均は反落しました。前日に498円高しましたので、ここでの押し目は当然ということになりますが、日足の形は非常に悪化しており、前日の急騰も余計な形に映ります。13日(月)は日足の窓を空ける下放れでした。そして14日(火)は窓を空けずに高く寄り付いた陽線形成でした。酒田五法では、この形を「下放れタスキ」と言います。下放れたあとのタスキは大暴落の前兆とされており、予断を許しません。

日々流れが変わる

 それにしても日々の動きによって流れがガラッと変わってしまうものです。先週金曜日の寄り付き時点では日経平均の日足移動平均線は、下から200日、25日、75日という順で並んでいました。そして、25日は上向きの75日を今にも超えてゴールデンクロスしそうな形で、ローソクはさらにその上に位置していました。

先週金曜日の日経平均は強く見えた

 8月9日にも指摘しましたが、通常、強い相場では、移動平均線は、上から短期、中期、長期と順の並び、そしてローソク足は短期線の上に位置する必要があります。日足でいうと、上から25日線、75日線、200日線と並び、その上にローソク足が位置します。つまり、金曜日の寄り付き時点では、移動平均線で見る限り日経平均は強く見えていました。

3つの移動平均線すべての下に

 ところがTOPIXの日足移動平均線は日経平均のそれとは正反対に上から200日線、75日線、25日線と並んでいて、ローソク足も一番下の25日線さえ割りそうな位置にありました。日足移動平均線で見る限り日経平均とTOPIXの強弱感は全くの正反対だった訳です。そして、引けでは日経平均、TOPIXともに3つの移動平均線すべての下に落ちてしまいました。

今回はTOPIXが実際の動きを示唆

 週足移動平均線では、日経平均は上から13週線、26週線、52週線という順番に並び、終値で13週線は下に抜けたものの、26週線、52週線ともにまだ上を向いておりますが、TOPIXは3つの移動平均線が1740~50ポイントとほぼ同じ位置に収斂していて、ローソク足がその全てを下に抜けました。このように日経平均とTPOIXの移動平均線の並びが正反対となるのは珍しい現象です。今回はTOPIXの移動平均線の並びが実際の動きを示唆していたということになります。

横ばいあるいは短期急落

 では、現在のチャート形状を順の形に戻すには何が必要か?それは少なくともこれから75日間、現状の位置で横ばいとなり、25日線や75日線が下がってくるのを待つか、短期急落により一気に全ての移動平均線が急激に値下がりしてそれぞれが接近するかです。そこで株価が下値を固めて上昇を開始するならば、順の形に戻しやすいということになります。

現金化やヘッジ売りで下げに対応

 後者の場合には投資家は大きな痛手を被ることになりますが、ダラダラと時間を費やすと中期トレンドや長期トレンドが更に悪化してしまいます。マーケットを早期に立て直すためには暴落も必要なのです。下放れタスキによる暴落が起こるとすれば、そこはチャンスが拡がることになりますが、現状のポジションは現金化やヘッジ売りを入れて下げに対応せねばなりません。

日々勇太朗




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