GC間近【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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米追加関税に中国報復措置

 9月1日、トランプ政権は予定通り約1100億ドル(約11兆7000億円)相当の中国製品への追加関税を発動しました。一方、中国の報復措置も発動され、約750億ドルの米国製品に段階的に実施。1日には米国産豚肉、牛肉、鶏肉や他の農産品に10%、大豆に5%の追加関税が適用されました。

消化難で閑散膠着

 ギリギリのところで撤回されるかもといった淡い期待は裏切られ、実施に移されたことに対し、最初に開いたマーケットが東京市場ということになりましたが、本邦だけで消化するのは難しく、昨日の東京株式市場は記録的な閑散・膠着相場となりました。売買代金は1兆3299億円しかなく、14年4月以来5年4カ月ぶりの低水準。なによりも日中の日経平均株価の上下幅は前場の53円。後場は32円しかありませんでした。

相場自体は煮詰まる

 ただ、相場自体は煮詰まってきた感があります。8月6日以降に形成したBOX相場の上限に位置しており、ここを上に抜けるのか、再度下値に押し戻されるのかに注目が集まりますが、マーケット関係者からは弱気コメントばかりが聞こえてきており、投資家は身動きが取れず様子見姿勢を保っているというのが現状です。しかし、移動平均線を見ると5日移動平均線と20日移動平均線のゴールデンクロスが本日にも示現します。BOX内での往来相場に見えますが、移動平均線は上放れの可能性を示唆しています。

裁定売り残積み上がる

 来週末はメジャーSQを迎えますが、話題は裁定取引の売り残が増え続け、8月23日段階で1兆9059億円に積み上がっていることです。一方、買い残は4808億円しかありません。ただ、売り残が増えたからといって株価が暴落することはありません。単純に言えば、通常は先物価格が現物価格を上回るのが普通であり、調達コストを加味した理論価格以上に鞘が開けば先物売り・現物買いという買い残が積み上がります。

SQに向け先物売り現物買い

 しかし、最近は先安観測から先物価格が現物価格を下回る逆ザヤが発生しております。となると裁定業者は現物売り・先物買いのポジションを積み上げることになります。このポジションはSQに向け先物を売ると同時に現物を買い戻さねばなりません。一時的な現象ではありますが、現物買い需要が発生しることになります。SQまでの約2週間で上に放れる可能性が高まってきているのではないかと考えております。

日々勇太朗




株式情報と相場見通し

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