下放れスタートも押し目買い
4連休明けの東京株式市場は下放れスタートとなりましたが、25日移動平均線割れから押し目買いが入ってきました。4連休中の米国市場はテキサス州ヒューストンの中国領事館が閉鎖された他、米国内でスパイ活動を行っていたと思われる中国の軍事研究員が逮捕されました。中国はこのことに対抗して四川省の米領事館を閉鎖するといったキナ臭い動きがありました。
対中対立拡大が問題複雑に
大統領選挙で劣勢なトランプ政権が、コロナ対策の失政から国外に目を向けさせるためのパフォーマンスだ、といった見方もあるようですが、英国に続き仏蘭西も5Gでファーウェイ製品を排除する意向であることが伝えられるなど、米国以外の西側諸国へも急速に対中対立が拡大していることが問題を複雑にしています。
ナスダック25日線下回る
このため、先週木曜日と金曜日の二日間でNYダウは合計536ドル値下りし、ナスダック指数も343ポイント値下がりした一方、有事の金ということでNYの金相場は2011年9月以来の1900ドル台に乗せています。今まで世界のマーケットを牽引してきたナスダックが金曜日に一時25日線を下回りました。これは6月29日以来です。
ナスダック崩れるとマザーズに打撃
ナスダックは7月13日に日足チャートで大きな陰線包み足になり急落した場面では、25日線を下回ることなく、その後過去最高値を更新しました。しかし、今回は25日線を下回りだしてきました。現在25日線は1万0317ポイントに位置しており(24日終値・1万0363ポイント)、ここを下値支持線として切り返せるのかどうかに大注目となります。この下値支持線を下回り崩れ出すと、まずは横ばい推移となっているマザーズ市場が打撃を受ける可能性があります。
ドル円は100円割れも
また、為替市場ではドル安が進展しており、ドル円は105円台半ばへと円高が進行しました。3月9日に101円22銭でボトムアウト後は概ね106円~108円での小動き推移が続いてきました。しかし、昨日は下放れる形で3月16日レベルまで円高となりました。3月9日レベルまで節目はなく、対中情勢によっては100円割れもあり得ます。
25日線をキープできるか
輸出関連銘柄には逆風となり、5Gなど半導体関連銘柄に利食いを急ぐ動きが出れば、東証一部市場も25日移動平均線(2万2520円近辺)割れから75日移動平均線(2万1300円近辺)へと下値を切り下げる動きになることが予測されますので、まずは日米共に25日移動平均線をキープできるのかに大注目です。割り込み出した場合はポジションを軽くしていく必要があると考えます。
日々勇太朗
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