ファーストリテとソフトバンクGが225の下げに寄与
6月以降、米国をはじめ主要国に較べて日本株は上値の重い値動きが続いた。5/6から7/30まで日経平均は2047円値下がりしたが、そのうちファーストリテイリングとソフトバンクGの2銘柄の下落が日経平均の下げに寄与した値幅は約1375円である。
パンデミックをコントロール出来ない政権
日銀のETF買い付け方針の見直しタイミングが寄与度の高い銘柄の割高感の修正に重なり、日経平均連動型インデックス運用の売り圧力につながった面もあろう。パンデミックをコントロール出来ない政権として内閣支持率が低下していることは気がかりだ。安倍政権時代からの最低水準にあり日本株式市場の信頼感にマイナスに作用している。
ファンダメンタルズ好調銘柄の循環物色
一方、ここにきてTOPIXが日経平均をアウトパフォームするNT倍率の低下基調が鮮明だ。2月のピーク15.7に対して現在は14.3近辺である。過去数年の水準からはまだ高いが、日経平均がもたつく中、個別には堅調な値動きの銘柄が散見される。足元では海運株が大幅増益の発表で急騰を演じた。他の景気敏感株も第一四半期の実績や外部環境からみて上方修正の可能性が高いものが多いが、株価には十分織り込まれてない。これらファンダメンタルズ好調銘柄の循環物色が今後の日本株巻き返しにつながると見ている。
バイデン大統領の求心力が好影響
米国でも感染再拡大に対する懸念がくすぶっているが、そうした状況下バイデン政権が目指す景気底上げのための経済、財政政策がさらに推進されるという構図が見てとれる。これまでも選挙公約を着実に実行している印象だが、議会上院で超党派による1兆ドル規模のインフラ投資法案が可決されたことは、バイデン大統領の求心力やマーケットに対して中長期に好影響を及ぼしそうだ。
欧米との株価格差は年後半には縮小
当面の日本株は、金融相場から業績相場の色彩を強めながら、日経平均からTOPIX型への移行がさらに進展すると見ている。コロナ感染状況や今秋の国内政局には注意を要するもののマーケットが心配するほど大きな波乱にはつながらないだろう。総裁選や衆議院選を睨みながら、欧米との株価格差は年後半には縮小に向かうのではないだろうか。9月中間期に向けては、高配当銘柄を中心に素材株や商社、金融株などの景気敏感株に注目している。
個別では?
個別では三井物産(8031)三井住友FG(8316) JR東海(9022)など。
光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール
1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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