金利動向には注意が必要
人類にとって未曾有の災禍を克服し正常化へ向かう新しい年が明けた。
トラ走る相場を予感する米国株は金融政策のタカ派観測に再び神経質な値動きである。昨年来繰り返している短期波動の一環とも捉えられようが、コロナ再拡大による労働需給のひっ迫などインフレ長期化懸念はさらに現実味を帯びており、金利動向には注意が必要だ。10年債金利で昨年3月の1.74%水準を大きく超えてくるようだと要警戒だろう。
業績相場の色彩が強まる
いずれにしても今年は米国の金融政策が正常化に向け舵を切られるのは間違いなく、株式市場は1年を通じてFOMCの意思表明に大きく揺れ動く年となりそうだ。ただ、過去30年の米国利上げ局面と株価の関係を見れば、特にその前半局面で株価上昇の経験則が確立していることは認識しておきたい。その場合、景気拡大期が続くことが前提となるので今年はより業績相場の色彩が強まると見ている。
個人消費の反動的拡大を見越した戦略
ここに来て日本でもコロナ感染の急拡大が懸念され出した。オミクロン株の感染スピードは早く感染者数は一気に急増する可能性が高いが、海外の状況や医療体制の充実、人々の学習効果から想定を超える事態には陥らないだろう。重症化率が低位に留まると見られていることもあり、市場が極端に悲観に傾くことはないと考える。むしろ、ピークアウト後の個人消費の反動的拡大を見越した戦略を取りたい。
2万8500円近辺は割安
現在日経平均の今期予想EPSは2050円でPERは14倍程度である。アベノミクス以降の中心値15倍を下回っており来期10%程度の増益期待を勘案すれば2万8500円近辺は割安であろう。今年の目標株価としては来期EPS2250円でPER15倍の3万3000円~3万4000円辺りまではあり得るのではないか。
ファンダメンタルズに基づいた銘柄選定
為替市場ではドル高圧力が強まりドル円は昨年比で5円程度の円安レンジを予想する。業績動向を中心にファンダメンタルズに基づいた銘柄選定で押し目を狙う投資スタンスを堅持したい。投機に走らずそうした方針を貫くことがサスティナブルな資産形成を可能にするであろう。
光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール
1960年奈良県生まれ 1983年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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