失望が強まれば押し目買いの好機~光世証券・執行役員 西川雅博氏

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞

5月に反騰の機運

株価は足元、地政学的リスクの高まりにより不安定な動きとなっている。「減税、規制緩和、インフラ投資」が期待されていたトランプ政権だが、ここに来て、市場の関心は、シリアや北朝鮮、アフガニスタンなど予想以上の軍事的強硬路線に集中している。
さらに、トランプ大統領がドル高と金利上昇をけん制する発言をして、リスクオフムードを助長する動きもみられる。当初はインフレ率の上昇を織り込みに動いていた米国債(10年物金利)は、3月初旬の2.6%から2.23%まで大きく低下した。また4月14日で、トランプ氏が大統領に就任して85日目となる。そろそろ100日といわれるハネムーン期間が終わるが、この間、オバマケア代替法案が撤回に追い込まれるなど、経済政策では成果を挙げることが出来なかった。
短期的には、投資家の失望が一段と強くなる可能性も否定できない。しかし、そこが押し目買いのチャンスだ。5月になれば、反騰の機運が出てくると見ている。外交面での攻勢が一段落すれば、トランプ大統領は、その成果を強調しつつ、公約してきた国内経済政策の推進に向かうであろう。投資家心理が変わるのは早い。大統領が経済政策に手を付け始めると、米国景気が良いことも手伝って、投資家心理が一転し、株価の上昇スピードは速くなるであろう。
2月決算の日本企業の今期決算見通しでは、前期よりもかなり良くなるとする企業が多い。そのため、現在売り込まれている要因はファンダメンタルズではないと考えている。3月決算企業の決算発表も再来週から本格化するが、良い見通しが多くなる可能性が高いのではないか。押し目買いセクターの候補には、下げが大きくなっている金融、電子部品、建設などが挙げられる。

 

 

光世証券・執行役員 西川雅博氏
◆1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当◆

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