来月以降戻りの様相強める|光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏【相場展望】

光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞
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内外でネガティブ材料が相次ぐ

 2月以降、トランプ大統領の関税引き上げ表明やフェイスブック個人情報不正利用問題、自動運転車事故、安倍内閣支持率低下など内外でネガティブ材料が相次いだ。

今回の株価下落はテクニカルな循環的調整

 最近は米中貿易戦争動向に市場の関心が集まっているが、日経平均は逆に3月26日の安値2万347円から下値を切り上げる動きを見せている。はっきりした外部要因好転の動きがない中で落ち着きを取り戻しつつあるのは、今回の株価下落がテクニカルな循環的調整の色彩が強かったということではないか。

足元では春の芽吹き

ドル/円は円安気味に反転基調で、海外投資家の売り越しにも一巡感が出てきた。依然連動性が強いとは言え、ここにきて不安定な米国株に較べ日本株の底堅い動きが見られるようになった。2カ月に及ぶ調整局面は日柄の進展で変化の兆しが現れ、足元では春の芽吹きが感じられる。

設備投資計画はプラス要因

 3月の日銀短観によると、大企業・製造業の業況判断DIが24ポイントで前回より2ポイント低下し8四半期ぶりの悪化となった。また、今期の経常利益見通しも大企業・全産業で2.2%減益と慎重な見方に転じている。年初からの円高や米国株式をはじめ世界的なリスクオフの動きが影響したようだ。一方、設備投資計画は大企業で2.3%増と予想(1.0%増)を上回っており、プラス要因である。

夏場に向けては徐々に明るさを取り戻す

 決算発表を前に今期の景気・業績に対する減速懸念は否めないが、日経平均の2万1000円近辺はすでに今期1割程度の減益を織り込む水準だ。短期的には米中の通商交渉の行方やトランプ発言に神経質な動きかもしれないが、下値は限定的で夏場に向けては徐々に明るさを取り戻す展開となろう。

今月は下値切り上げのジリ高相場を想定

 今月の日経平均は2万2000円台後半をメドに下値切り上げのジリ高相場を想定。3月決算発表後の来月以降は個別物色でさらに戻り相場の様相を強めると考える。好業績の持続期待でアサヒグループホールディングス(2502)、ソニー(6758)、三菱自動車(7211)に注目。




相場見通し

光世証券・エグゼクティブ・マネージャー 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当

東京エレクトロン,米朝首脳会談,パウエルFRB議長,光世証券,西川雅博,米国通商政策

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