光世証券・執行役員 西川雅博|企業速報 証券市場新聞

米中貿易問題のマーケット消化が進む

 9月になりグローバル金融市場は急速にリスクオンの様相となった。反転の時期が米国の対中追加関税第4弾発動のタイミングと一致したことは、米中貿易摩擦問題に対するマーケットの消化が進んでいるとも言えよう。

ショートカバーが短期間で一巡するとの見方は時期尚早

 8月は他にも英国の合意なき離脱問題など世界的な懸念材料が目白押しで大幅下落が続いてもおかしくない外部環境だったが、値幅調整は限定的であった。この間、日経平均の裁定売り残は7000億円以上増加し、9/6現在で売り残高は2兆円以上という歴史的高水準に積み上がっている。個別銘柄の空売り比率も上昇しており、ショートカバーが今回も短期間で一巡するとの見方は時期尚早ではないか。

非常に都合のいいリスクオンの環境

 足元の景気指標は、8月米国ISM非製造業景況感指数が市場予想を上回るなど、まだら模様ながら一方的に悪化傾向ではない状況が見受けられる。バルチック海運指数は6月からの急騰で2倍以上の水準まで上昇している。そうした中、ECBが資産買い入れ再開など予想以上に踏み込んだ金融緩和策を発表した。米国の利下げテンポは当初の市場予想より緩やかになる可能性が出てきたが、中国の内需拡大策など世界的な金融緩和・景気対策は強力な下支え要因として今後も意識されるだろう。株式市場にとって非常に都合のいいリスクオンの環境が整っている。

マイケル・バーリ氏が日本の中小型株8銘柄に投資

米国では、トランプ大統領の不規則発言について、短期反応だけで中長期の相場動向には必ずしも影響が大きくないのではとの分析が出てきているようだ。10月以降の貿易交渉進展への期待には、来年の大統領選に向けて景気や株価の底割れは何としても避けるのではとの思惑も働いている。リーマンショック時に住宅ローンの破綻を予測して「世紀の空売り」で取り上げられたヘッジファンド投資家のマイケル・バーリ氏が、極度に過小評価されているとして日本の中小型株8銘柄に投資していることが最近明らかになった。グローバルな長期投資家の日本株に対する変化の兆しが見られる。

実体経済が悪化しないことを確認しながら・・・

 短期的には過熱感があり、先行きの不透明感が払拭されてないとの慎重見通しが大勢だが、実体経済が市場関係者の見方ほど悪化しないことを確認しながら10月から年末にかけては意外高の可能性が高まったと考えている。

光世証券・取締役 西川雅博氏プロフィール

1960年奈良県生まれ 1982年早稲田大学政治経済学部卒、大和証券入社 1990年より光世証券 法人部、営業部長、現在コンサルティンググループ担当




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