本当の苦しみはこれから【星野三太郎の株街往来】

大証|企業速報 証券市場新聞
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経済指標に表面化するのは数か月先

トランプ大統領による相次ぐ関税砲は一時期よりは落ち着きを見せており世界の主要指数も戻りに転じてきた。2日に発表された4月の雇用統計も事前予想よりも良い内容で安心感が漂っているが、消費者が関税の影響を実感してそれが経済指標に表面化するのは数か月先だけに楽観はできないだろう。
そのような中で通販大手アマゾンが関税コストを詳細に表示する計画を立てていると報じられたことが先ごろ話題になっていた。政権側からの圧力でこの計画は頓挫したようだが、末端価格の値上げを最小限に抑えるにも関税の引き上げ幅が大き過ぎて企業努力でも限界がある。それならばその製品が値上げされた理由を消費者に説明するのは良心的だ。

政治家の公約を信じる国民がどれだけ存在するのか?

日本でも人件費やお米のなどの価格が高騰しているのに牛丼並盛の価格が500円以下に抑えられているが、食材の調達方法などの企業努力の賜物だろう。ただ、これが翌月から1000円になったらどうなるだろうか?
月給が倍にはならないのだから高いものは買わなくなる。トランプ大統領は関税引き上げによって生産の国内回帰が起こって雇用が増えれば収入が増えれ国民皆がハッピーになると説明しているるが、関税で製品が値上げされて売れなくなれば、その企業はリストラを行うだろう。そういう一時的な苦しみには我慢してくれというとだが、解雇されて日々の生活が立ち行かくなっても政治家の公約を信じる国民がどれだけ存在するのかが疑問だ。
株式市場は直近の大きな戻りで一安心だが、本当の苦しみはこれからかも知れない。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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