連騰記録は10月24日までの16連騰で止まったが、その後も強い動きが継続している。誰もが経験したことのない上昇相場だが、長らくの低迷相場の過程で、多くの証券マンや同業の記者が異業種に転職してしまって、活況な相場環境でも、筆者の周囲でそんな状況を会話するのは数人しか存在しなくなった。
そのうちの一人が、1989年に日経平均が3万8957円の高値を更新した時代に大手証券の営業部長で活躍されていた方。現在も大手金融会社で法人の管理職をされているが、先月あたりから、今回の相場の動きは違うと電話を頂き、1カ月後にその予感が的中することになった。気付いてみれば、そんな昭和の最高値を経験したベテランの大半が引退してしまった。北浜の証券会社の店頭などで投資家同士が会話する場面も多かったが、ネットで自己完結する時代では、それもあり得ないことになっている。
歴史的な記録は数年後に良い思い出になるものだが、今回の連騰記録は、果たして、10年後、20年後に記憶に残るだろうか。電話すら不要でメールで事が済む時代は、便利が良いが、半面で寂しさも強く感じる。