災い転じて福となす【星野三太郎の株街往来】

大証|企業速報 証券市場新聞
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異常な状況

 今年の漢字が「災」であることを象徴するかのように、株式市場は12月に入っても記録的な大暴落となった。大きな金融機関が破たんしたわけでもないのに新安値銘柄が2008年10月のリーマンショック時を上回る状況は、様々な要因が絡んでいるにせよ、異常な状況と思うのは筆者だけではないだろう。
 ただ、大きく下げている割には当時ほど巷で株式を話題にする方が少なくなった。筆者が参加した忘年会では上場企業の方が多く、当然ながら株価への意識が高いが、それ以外では、そもそも株式投資を辞めてしまったり、最初から株式投資をしない若者も少なくなく、暴落の話をすることはない。

株式投資への関心を薄めてしまった

 リーマンショック当時は多くの証券会社が立ち並んでいた北浜もタワーマンションやホテルが点在して、株の街から姿を変えてしまった。人々が株式投資へ関心を薄めてしまったところに、海外からやってきたコンピューターによるアルゴ売買が幅を利かせてしまっている状況が異常な株価変動を招いている一因になっているかも知れない。大阪北部地震など災害の傷も未だ深いが、問題意識を深めて新年は災い転じて福に転じてほしい。

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