驚異のGDP上昇率
2022年からアメリカを中心に世界各国が、景気後退・金融不安に陥る中、新興国市場では「フィリピン」に熱い視線が送られるようになっています。
なぜならば、2022年、フィリピンの前年同期比GDP上昇率は、驚異の7.6%。フィリピンもウクライナ戦争の影響を受け、物価上昇・金利上昇をしていますが、その勢いは衰えず、フィリピンの統計庁による2023年1月~3月でのGDPは前年同期比6.4%上昇しました。
では、なぜフィリピンがこれほど好景気が続くのでしょうか?
圧倒的な人口増加
1つ目の理由は、「圧倒的な人口増加」です。現在のフィリピンの人口は、日本とほぼ同じ約1億1200万人ですが、圧倒的に違うのは平均年齢が24歳であること。生産労働人口が多く消費が活発。若者がその国の過半数を占める人口ボーナスも、2050年とアジア最長。この圧倒的ボリュームが消費を底上げします。
「出稼ぎ労働者」の存在
2つ目の理由は、「出稼ぎ労働者」の存在です。フィリピンは英語が公用語であり、得意な英語を活かして、海外で働く方も多いです。フィリピンの最低賃金は首都部マニラで、現在のレート換算、1日1500円ですが、海外で働けば、年収が10倍も夢ではありません。出稼ぎ労働者は、給料の半分程度を母国へ送金することも多く、その送金額全体はGDPの10%を超えており、国内での爆発的な消費をけん引します。
外貨による消費の牽引
3つ目の理由は、外貨による消費の牽引です。出稼ぎ労働者による仕送りの結果、米ドル、ユーロ、カナダドル等々、多種多様の外貨がフィリピンへ流れ込みます。
フィリピンも2022年はドル高ペソ安になりましたが、ペソ安が進むほど、外貨はより多くのペソに両替可能なので、同じ仕送り金額で、より多くのものを買えるバーゲン状態に。さらに消費が加速します。フィリピンの一人当たりGDPは3500ドル前後であり、日本の感覚でいうと1970年代に当たります。ドゥテルテ前大統領が掲げた大規模インフラ政策を、現政権も引継ぎ、2025年にはフィリピン初の地下鉄開通。大規模なインフラ整備が経済を底上げします。
フィリピンの株式市場にも熱い視線
そして、リーマンショックの再来がささやかれる中、フィリピンの株式市場も注目が集まっています。その理由とは?次回の記事にてお伝えいたします。
町田健登(ライフシフト合同会社代表)プロフィール
1988年生まれ、栃木県出身。
筑波大学卒業後、外資企業の営業職を経て人材派遣会社のフィリピン駐在員として渡比。
現地で様々な人脈を形成し、資産運用でも経験を積み、失敗を繰り返しながらも着実に資産を増やし、
現地日系フィリピン金融ホールディングスの役員に3年就任。
その後、31歳で無借金、純資産1億円を達成。
2020年、ライフシフト合同会社を立ち上げ独立。
現在は、ファイナンシャルプランナーとして活躍する他、
在日フィリピン商工会議所 理事(2023年)
大妻女子大学 大妻マネジメントアカデミー講師(2023年)
等々、フィリピンで培った知見を活かして、社会面・教育面でも活躍中。
「フィリピン投資入門」「フィリピン株を推すこれだけの理由」等現在2冊出版中。
2018年にアイアンマンレース完走、2020年にアフリカ最高峰キリマンジャロ山登頂など、冒険家としても活躍している。
フライデー、カンパニータンク、ヒューマンストーリー(WEB版)でも紹介される。
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