円安を止める方策は?【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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景気減速の方が日本経済にはプラス?

9月22日に日銀は24年ぶりに3.6兆円規模の円買い介入を行なった。米国の相次ぐ利上げとは対照的に日本は金融緩和を維持している。日本経済は脆弱で利上げによる経済のダメージを考えると円安とインフレによる景気減速の方が日本経済にはプラス面があると黒田日銀総裁は考えているのだろう。

非難を避けるための円買い介入

日米の金融政策の違いが金利差拡大をもたらし、円安を加速させている。インフレと円安の加速で電気代やガス代、食料品などモノの価格が大幅上昇し、国民生活を圧迫している。鈴木財務大臣と黒田総裁は何もしなければ、国民から非難されることを避けるための単独での円買い介入だ。米国の利上げはドル高となり、米国のインフレを抑える役割を担っている。

単独での介入は効果が一時的

日銀が円買い・ドル売り介入をしても米国は協調介入をしない。つまり、単独での介入は効果が一時的で円安傾向は続く。実際、介入を行なった日は、1ドル=145円台から140円台まで円高に振れたが、その後は145円前まで円安に戻っている。円安が加速し始めたのは2021年1月からだ。1ドル=102円台が9月22日に145円90銭台と1年9ヶ月間で実に43円も円安になった。

円安が加速した要因は?

円安が加速した要因は二つ。新型コロナ感染症が世界中に拡大し、サプライチェーン(供給網)が寸断されたこと、もう一つがウクライナ戦争だ。商品や製品が手元に届かない流通停滞とモノやエネルギー価格の上昇がインフレ拡大をもたらしている。コロナ禍の影響やウクライナ戦争はすぐには収まらない。

「引き締め」局面に変わった

インフレを沈静化するための金融政策が利上げだ。米連邦準備理事会(FRB)は9月21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げを決めた。今回の利上げで政策金利は3.00~3.25%となり、中立金利(2.5%)を明確に上回り、米金融政策は「緩和縮小」から「引き締め」局面に変わったことになる。

実体経済に本格的に影響してくるのはこれから

3月の利上げ開始から半年が経過しており、金融政策が実体経済に本格的に影響してくるのはこれからだ。景気が減速し、需要が縮小するとインフレ率が低下する。消費者物価指数(CPI)の低下とパウエルFRB議長の金融スタンスが重要となる。円安を止めるには介入ではなく、米利上げ効果が現われる時だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はボードルア(4413)、デジタル・インフォメーション・テクノロジー(3916)、ジェクシード(3719)

 

10月3日付「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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