0.25%利上げの意味と成長相場の行方【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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高市発言の真意

19日の日銀金融政策決定会合では、政策金利が0.25%引き上げられ0.75%となった。一方で注目されたのが、高市総理が植田日銀総裁に対し「景気とインフレの両方をしっかり見て判断してほしい」と発言したとされる点だ。この言葉は単なるリップサービスではなく、積極財政によって芽吹き始めた景気を、拙速な利上げで冷やしたくないという明確な政治的意思表示と捉えるべきだろう。

最小限の調整

もっとも、高市政権は今回の0.25%利上げ自体を止める構えではない。石破政権時代に「金利正常化」が既定路線として閣議決定され、市場もそれを前提に織り込んできた経緯があるためだ。今回の利上げは、過去の政策判断を整理するための「最小限の調整」にすぎず、ここから連続的な利上げが始まると見るのは早計である。

今後の焦点は?

今後の焦点は、高市政権と日銀の力関係だ。高市政権は名目GDP拡大と実質賃金上昇を最優先に掲げ、金融政策には成長を下支えする役割を求めている。一方の日銀も、異次元緩和からの出口を意識しつつ、足元のインフレがコストプッシュ型であり、賃金と需要の好循環が十分とは言えない現実を理解している。結果として日銀は、「利上げはできても、続けることは難しい」立場に置かれる可能性が高い。

政策金利のメインシナリオは?

来年にかけた政策金利のメインシナリオは、0.75%での据え置きだ。仮に追加利上げがあるとしても、賃金と成長が明確に確認された場合に限られ、上限は1.00%程度にとどまるだろう。利上げによる景気減速や財政負担増が意識されれば、追加利上げは断念される可能性もある。国債市場は金利上昇は利払い費の増加を通じて財政余地を圧迫する。積極財政を掲げる高市政権にとって、金利上昇は政策の自己否定につながりかねない。

内需株やAI・半導体などの成長株

そのため、長期金利は1%台前半で管理され、日銀も「管理された低金利」を維持する公算が大きい。株式市場にとって今回の利上げは悪材料の出尽くしとなりやすい。銀行株は金利正常化を織り込み済みである一方、積極財政の恩恵を受ける内需株や、利上げ一巡が追い風となるAI・半導体などの成長株が再評価されやすい。市場は「次の利上げ」ではなく、「利上げが止まる世界」を織り込み始めるだろう。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はソニーグループ(6758)、トヨタ自動車(7203)、オリックス(8591)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に金融情報サービスを行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp

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