英中銀、金融安定に動く【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
目次

英国中央銀行異例の緊急措置

世界がイギリス中銀に救われた、といえば大袈裟かもしれませんが、28日の19時頃に、英国の年金の一部が支払い停止になるリスクがあるということで、英国中央銀行が異例の緊急措置として、国債の無制限買い入れを実施すると発表しました。期間は9月28日~10月14日までのひとまず時限的措置ですが、「秩序ある市場に戻すのに必要ならいくらでも買う」というのは極めて強いメッセージです。

国債利回り急低下

この発表を受けて海外の債券市場はパニック買いが入りました。英国10年国債の利回りは4.6%台から4.04%に急低下。米10年国債の利回りも4%から一気に3.7%台に急低下しました。先進国の国債の1日の値動きは極めて稀な変動となりました。

金融とインフレ安定のジレンマのなか窮余の策

今回は臨時措置はインフレを加速させるリスクを覚悟で「金融安定」の確保に動いたといえます。中央銀行は物価の安定だけでなく、金融システムの安定が責務です。インフレ退治にも当然目配りをしていますが、金融安定とインフレ安定のジレンマのなかで、窮余の策として打ち出してきたとも言えます。

英政権経済政策一時棚上げするか

これで10月半ばまでは相場は安定すると思われます。問題は10月半ばまでに英政権が追加減税などの経済政策を一時棚上げにするかどうかだと思います。トラス新政権が財源の裏付けに乏しい大規模な財政政策を打ち出したことはインフレに拍車をかけかねない政策であり、マクロ経済政策として整合性に欠いています。

本日の寄り付きを注目

日経平均は248円高の2万6422円で取引を終えました。配当落ちが分が約220円ということなので、実際は468円高ということになります。日足は28日の下放れの陰線に陽線が孕んだ形です。安値圏で陰の陽孕みが出た場合、3日目である本日の寄り付きが上放れ、陽線形成となれば上昇転換と見なされます。逆に下寄りして陰線形成となればダウントレンド継続と見なされます。本日の寄り付きはその意味では注目となります。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄

限定銘柄情報が満載!「株式市場新聞 公式メールマガジン」

購読会員限定コンテンツ

Pocket

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次