英国不安【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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英債券、ポンド急落で3週続落

先週の東京株式市場は3週続落となりました。イギリスのトラス新政権が1972年以来の大規模な減税策を打ち出したことで、英国債券市場や通貨ポンドが急落となったことが大きな要因です。

英中銀は金融安定化へ舵切る

英中央銀行はインフレに対処するため利上げに踏み込んでいましたが、インフレ圧力が高まっている中で財政措置を取るという真逆の政策によりマーケットが混乱。「ライアビリティー・ドリブン・インベストメント(LDI=債務主導投資)」と呼ばれるデリバティブを活用した英国の確定給付年金がマージンコール(追加担保の差し入れ)を突き付けられたことで、英中央銀行は残存期間20年超の銘柄を対象に、国債の無制限買入を実施すると発表。インフレ対策を一時棚上げしても金融安定を優先させる方向に舵を切りました。

中銀と政府が真逆の行動

これで市場は安定すると思われましたが、その翌日にトラス首相が減税を含む経済対策を撤回すべき時ではなく、増税は英国のリセッションに陥る可能性を一層高めると主張し、「政府は正しいことをした。これは正しい政策だ」と自身の経済政策について述べました。中央銀行と政府が真逆の行動に向かっており、同国は信用を失う可能性があり、これは大きな問題です。

日経平均は下放れ大陰線

日経平均の週足は窓を空けて放れの陰線形成となりました。週足一目均衡表では雲下限を下放れてしまいました。また、月足では2154円を超える大陰線となり、12カ月線が下向きに転換。月足の一目均衡表では転換線、基準線を一気に割り込んでしまいました。

短期的に底打ちしやすい状況

短期的な逆張りテクニカル指標のRCIがマイナス97まで低下して短期的に底打ちしやすい状況になってきました。RCOIはマイナス100~プラス100の間を上下しますが、マイナス97は今年最低であり、しかも過去2年間、ここまで低下したことがありません。あくまで短期的な見方になりますが、どこで底入れして反転してもおかしくはないということです。

下値のポイント

下値のチャートポイントは6月20日安値の2万5520円や3月9日安値の2万4681円ということになりますが、直近9月7日安値の2万7267円から9月13日高値の2万8659円の中間反騰の倍返しとすれば、2万5877円が計算でき、30日の下落で達成感が出てもおかしくないところ。ここでも下げ止まらない場合は、直近8月17日高値の2万9222円から9月7日の2万7267円までの下げ幅の2倍とすれば、2万5314円がターゲットとして意識されそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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