財政責任法案、下院通過【転ばぬ先のテクニカル】

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乗り遅れた投資家の買いに反発

昨日の東京株式市場は反発しました。前日はMSCI指数などの月末ドレッシングにより急落。大引けの成り行き注文が約3兆5000億円執行されたことで、売買代金が7兆円に迫る過去最大の売買代金となりました。上げが続いてきただけに、利食い売りも相当に持ち込まれたものと思われます。昨日はシカゴの日経225先物が90円安で帰ってきたことで、続落スタートと思われましたが、前日比ほぼ変わらずで寄り付くとスルスルと上昇していきました。5月の上昇相場に乗り遅れた投資家の買いが入ったものと思われます。

債務上限可決もダウ先は小安いまま

注目の債務上限問題の下院採決は当初、日本時間9時半ごろが予定されていましたが、審議に時間が掛かり10時過ぎからの投開票となりました。C‐SPANチャンネルでLIVEを見ていましたが、各議員のリラックスした雰囲気の中で開票が始まったことで、可決成立するのだなと株価指数を横目に眺めていました。デフォルト回避に株価が急騰するのかと思っていましたが、時間外のNYダウ先物は小安いまま。結果、賛成314票、反対117票の大差で可決。共和党保守派70人が反対しましたが、民主党のほうが賛成票が多かったのが意外な結果です。

速報記事流れると逆に上げ幅を縮小

学生ローンの支払い再開やMountain Valley Pipelineに反対していたプログレッシブコーカスが容認したということのようです。更に意外なのはメディアが速報記事を流すと、逆に上げ幅を縮小させる動きとなったことです。この可決された「財政責任法案」は米政府が借り入れることができる総額を定めた債務上限を、現在の31.4兆ドルから2025年1月まで棚上げにする内容です。下院で可決したことで直ちに上院に送られ、数日中に採決される見通しで、上院での可決後にバイデン大統領が署名して法案が成立します。

株式市場からの資金逃避を懸念

後場に入り再度上値アタックとなりましたが、時間外取引のNYダウ先物は無反応。これは、上院での審議の行方を懸念しているというよりも、合意によるデフォルト回避により、財務省が約1兆ドルの短期証券発行による資金調達へと進み、株式市場から資金が逃避することを懸念した動きということなのかもしれません。

調整終盤で個別物色が活発に

さて、日経平均という指数は横に置いておき、個別銘柄に目を向けると調整終盤ではないかと思います。25日騰落レシオは97.2%と中立の100%を割り込んできました。そして6日騰落レシオを見ると一昨日の53.6%から昨日は61.5%に反転しました。6日騰落レシオの6日移動平均は65.1%ですので、ここを上回ると個別物色が活発になるものと考えます。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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