高値切り下げで上値重く【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
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米長期金利上昇でハイテク株売られる

2日の米国市場はフィッチの米国債格下げにより売り先行スタート。その後、ADP民間雇用報告が市場予想を大幅に上回ったことで、10年債利回りが4.086%(ザラ場では4.123%が高値)まであり、年初来高値を更新したことで、ハイテク株中心に売られました。

リスク回避で本国へ資金回帰の可能性

昨日の東京株式市場は続落しました。10年債利回りが0.650%まで上昇してきており、警戒感が広がっています。日本の投資家が保有する米国の国債と株式、社債は2兆5000万ドル(約359兆円)にのぼります。海外投資には為替の変動リスクやカントリーリスクなど様々なリスクがあります。それでもゼロ金利政策が長かったことで、リスクを取ってもリターンを求めて対外投資を続けてきました。しかし、国債の格付けが格下げされたことに加え、日本の金利が上昇しだしたことで、リスク回避で本国へ資金が回帰する可能性が出てきたことがマーケットに不安を与えている訳です。

回帰資金で日本株大浮上も

基軸通貨国の国債は最上格であるべきであり、一段階引き下げられたことが問題視されているのです。すぐに本国回帰する訳ではなく、慌てる必要はないと思いますが、仮に将来、そのような流れに向かうなら、米国の金利が上昇し、住宅ローン金利が更に引き上げられ、株式などの高リスク資産への資金流入は限られることとなり、不安定になると思われます。その時、回帰してきた資金により、日本株が大浮上していくということが考えられます。

一旦下げる時間帯で個別対応

足元の相場は調整局面です。日経平均の年初来高値は6月19日の3万3772円ですが、その後の戻り高値は7月3日の3万3762円、8月1日の3万3488円です。3万3000円以上の累積売買代金は77兆9648億円と巨額であり、簡単には抜けません。戻り高値が順次切り下がってきており、巨額の売買代金を整理する時間が必要です。上げるために一旦下げる必要がある時間帯だと思われ、物色は個別対応ということになりそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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