日本株投資に巨額マネー【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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中東のオイルマネー

中東のオイルマネーが日本株の本格買いに向けて準備を進めているという。
デフレ脱却とコーポレートガバナンス(企業統治)の劇的な改善が日本株式市場に投資するチャンスと考えている。中東の政府系ファンド(SWF)の運用残高は計4.8兆ドル(約710兆円)と巨額だ。

1%割当なら7兆円

中東SWFの運用スタイルは5~10年後などのリターンをみる長期運用がほとんどだ。買うときは短期の値動きやバリュエーション(投資尺度)はあまり気にせず大胆に買ってくることも多いとされる。中東SWFから僅か1%が日本株に割当られると7兆円という巨額な資金が流入する。

家計の金融資産は初めて2100兆円超え

また、日銀が発表した2023年4~6月期の資金循環統計(速報)によると、23年6月末時点の家計の金融資産は前年同期比4.6%増の2115兆円だった。過去最高を大幅に更新し、初めて2100兆円を超えた。
現預金が引き続き過半を占めたが、株高を主因に株式や投資信託の保有残高が拡大した。現預金は前年同期比1.4%増の1117兆円だった。株高の恩恵で株式等の保有残高は26%増の268兆円、投資信託は15.9%増の100兆円とそれぞれ過去最高を更新した。

企業の構造的変化を内外に示せ!

仮に現預金から僅か1%が株式市場に振り向けられると、11兆円という巨額なマネーが株式市場に流入し、株価を大幅に上昇させることになる。日本株式市場に資金を呼び込むためにも、多くの企業が営業レバレッジ(固定費の削減による売上高増加での増益効果)を高めて利益を伸ばし、自社株買いや増配といった株主還元を進め、日本企業の構造的変化を内外に示すことが必要だ。

需要不足の解消は15四半期ぶり

また、日本経済の供給力と需要の差を示す「需給ギャップ」が4~6月期にプラス0.1%だった。速報値から下方修正となった同期の実質GDP(国内総生産)改定値を反映しても需要不足は解消した。需要不足の解消は2019年7~9月期以来、15四半期ぶりだ。

積極財政に転換すべき

本格的な需要回復とは言えないが20年以上続いたデフレからインフレに転換していることには間違いない。あとは政府が大胆な経済対策を行い、内需を喚起することで景気回復と賃金の上昇が続き、需要が拡大する。そのためにも政府は緊縮財政から積極財政に転換することをはっきりと示すことが求められる。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はケーユーホールディングス(9856)、サンワテクノス(8137)、ニッコンホールディングス(9072)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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