米金利動向に惑わされるな!【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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米国金利に振り回される

10月の株式市場は米国金利の上下に振り回されている。米債券市場で長期金利が9月4日と6日に付けた4.88%から4.55%まで金利が低下したことで、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型ハイテク株中心に米株式市場に買いが入った。

中東の地政学的リスクも重石

日本も同様にハイテク株、特に日経平均寄与度の高い東京エレクトロンやアドバンテストといった値がさ半導体株が買われ日経平均の上昇幅が拡大した。10月4日の安値3万0487円から12日には3万2494円まで上昇し、2000円も戻した。しかし、10月7日にイスラム組織ハマスが突如、イスラエルへの大規模な攻撃を開始。これに対し、イスラエル側も激しい空襲で応酬し、戦争状態となった。中東の地政学的リスクが一気に高まり、18日には米長期金利が一時、4.92%と2007年7月以来の高水準を付けた。

「マグニフィセント・セブン」が急落

金利の天井感が薄れたことで「マグニフィセント・セブン」が急落した。日本も同様に19日の長期金利が上昇し、新発10年物国債の流通利回りが一時、0.835%まで上昇した。2013年7月以来、10年3か月ぶりの高水準をつけた。金利の上昇で値がさ半導体株が売られ、日経平均が大幅下落となった。

10月第2週に外人は7836億円も買い越し

このように米金利動向が株式市場に与える影響が大きくなっている。債券市場も株式市場も外国人投資家(CTAやヘッジファンド)が大口売買を繰り返し、乱高下させている。金利の低下で日経平均が大幅上昇した10月第2週(10日~13日)の先物の投資部門別株式売買動向(日経平均先物、TOPIX先物、ミニ日経平均先物、ミニTOPIX先物の合計)を見ると、外国人投資家は3279億円買い越し、現物株(東証・名証の合計)との合算で7836億円も買い越している。

ハイテク株の急落局面は買いの好機

日経平均が大幅安となった時は、外国人投資家は先物を大幅に売り越している。投機筋の売買は、ファンダメンタルズではなく、価格の方向性を重要視するため、1日の時間帯の中でも乱高下を繰り返すことが多い。投機のリターンは、キャピタルゲインなのでこの様な動きとなる。過剰流動性相場下では、異常な下げや上昇が度々発生する。既に、日本の株式市場は割安水準で、円安メリットを享受する製造業などハイテク株の急落局面は買いの好機だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はTOPPANホールディングス(7911)、東京エレクトロンデバイス(2760)、アドテック プラズマ テクノロジー(6668)。

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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