山一證券の破綻
最近は本を読むことが無くなってしまったが、知人から借りた清武英利氏著の「しんがり 山一證券 最後の12人」を読みふけってしまった。
1997年11月に山一證券が自主廃業後に会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員の苦難を描いたノンフィクション小説で、過去にはWOWOWでは江口洋介主演でドラマ化されている。
今や北浜の証券会社は数社を残すのみ
当時、筆者は株式専門紙記者の駆け出しで、4大証券にも自由に取材できた時代だったが、山一證券の破綻後は、証券会社への取材も徐々に厳しくなり、気付いてみたら地場証券の多くが廃業や合併を繰り返して、今や北浜の証券会社は数社を残すのみとなってしまった。
山一證券の廃業は前触れもなく突然起こった印象を当時は持っていたが、同書を読むと改めてずさんな粉飾と、廃業後に残務処理を強いられた「しんがり」の存在の苦難を感じた。
株券が電子化されて、米国株を含めて株式がスマホで気軽に買える時代になるなんて当時は想像もできな無かった。当時の反省も生かされて、もうこのような粉飾は起こらないとは思うが、仮想通貨の不正流出など新たな事故が発生している。時代は変われど常に不正と戦う姿勢は変わらない。
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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