財務省の愚かな判断【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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2日間連日で為替介入

外国為替市場で7月11日夜と12日夜に円高が加速した。11日夜に対ドルの円相場は1ドル=161円80銭台から157円40銭台に4円程急上昇した。
12日の東京市場では一時1ドル=159円台半ばを付け、2円ほど円安に振れたが、その後、12日のニューヨーク市場で再び円相場が急伸し、一時1ドル=157円30銭を付けた。11日と12日の2日間連日で為替介入に踏み切ったようだ。

介入を指示するのは財務省

財務省の神田真人財務官は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に沿った動きかどうかというと私は奇妙だと思っていた」と指摘。「輸入物価が上がることで普通に生きている人たち、国民の生活が脅かされるとしたら問題だ」と述べた。円買い介入を実施するのは日銀だが、介入を指示するのは財務省だ。神田財務官が鈴木財務大臣に介入の意思を伝え、日銀に指示を出す。

投機筋もポジション調整

17日に河野太郎デジタル相が「円は安すぎる。価値を戻す必要がある」として日銀に利上げを求めたというニュースが伝わるとさらに円高が進み、18日には1ドル=155円30銭台を付けた。投機筋も円売りを積み上げてきたが、日本政府の円買い介入と利上げを警戒してポジション調整を行なっている。

円高は日本株には大きな下げ要因

円高は日本株には大きな下げ要因となる。円高と重なって、米国市場では半導体株が急落し、ダブルで日本株を襲った。18日の日経平均は971円(2.36%)安の4万0126円と大幅安となった。7月11日に日経平均は4万2426円まで上昇し、過去最高値を付けている。僅か4日間で2300円も下げた。

保護主義的な政策がもたらす経済の悪影響

トランプ元大統領が狙撃された事件を受けて、米国企業を優先する具体的な発言が相次ぐにつれ、投資家も「ほぼトラ」、「確トラ」のリスクを直視せざるを得なくなってきたようだ。トランプ氏が掲げる追加関税は世界貿易の縮小につながる。保護主義的な政策がもたらす経済の悪影響は、大型減税の延長や規制緩和のプラス効果を大きく上回る。

政府が内需拡大政策を打ち出せ

暫く円高→株安の流れは続くだろう。ただ、日本株の長期上昇トレンドに変わりなく、買いチャンスが訪れる。財務省の愚かな判断で円買い介入することが日本経済を衰退させる。政府が内需拡大政策を打ち出せば日本の経済力が強まり、円と日本株が買われる。

潮流銘柄は?

潮流銘柄は三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、三菱重工(7011)、IHI(7013)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
2024年 3月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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