経営者は節度をわきまえろ【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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ゴーン氏の「表の顔と裏の顔」

日産会長兼ルノーCEOであったカルロス・ゴーン氏は2010年から2014年までの役員報酬が100億円だったが、50億円しか有価証券取引所に記載しなかったことによる金融商品取引法違反で逮捕された。
株価は急落し、時価総額が約2863億円吹き飛んだ。2010年に役員報酬の公開が義務付けられ、多額な報酬に対する批判を逃れたかったのだろう。事件の全貌が明るみになるに連れて、ゴーン氏の「表の顔と裏の顔」があることが分かった。

名誉は金で買うもの

1998年、日産が倒産の危機に陥っていたところにルノーから資本援助を受けた。ゴーン氏は社員2万1000人を削減するなど、3年間で1兆円のコストカットを断行した。その結果、日産は黒字化になり、2001年3月期決算は過去最高益を達成し、「ゴーンマジック」と呼ばれた。
昼食は役員食堂でラーメンを食べて自分は特別な人間ではないことをアピールした。しかし、それは表の顔で実は裏の顔があったのだ。元幹部がゴーン氏の部屋に入ったら靴を履いたまま机の上に足を乗せ、ふんぞり返って報告を聞く。「役員が食べている食堂のランチは豚の餌か」と言う。「名誉は金で買うものだよ」とも言う。

私生活における不祥事も

また、この事件を機に私生活における不祥事も暴露された。前妻のリタ・ゴーンさんが言うにはゴーン氏の不倫が発覚し、離婚協議が始まった頃、財産分与を巡る協議の過程でお金に対する過剰な執着心が見えたという。不倫の証拠となるメールをゴーン氏に見せると「お前は嘘つきだ。気が狂っている。黙ってろ」と罵声を浴びせた。実際、ゴーン氏と不倫相手がレストランで抱擁しキスをしているところをフライデーされている。全ての財産への権利を放棄することを強要された。巨額な報酬を得ているにも関わらず自分のお金は使おうとしない人だったらしい。

今回の件で学ぶことは

今回の件で学ぶことは、経営者はそれなりの節度を持たなければならないということだ。海外では経営者の年収が10億円を超える企業は珍しくないが、日本人と考え方と文化が違う。日本人は社員やその家族まで大切にする。経営者と社員の信頼関係が今までの日本を支えてきたことは紛れも無い事実だ。自己中心の社会に傾斜している日本に警鐘を鳴らす事件だ。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はシルバーライフ(9262)、and factory(7035)、リンクバル(6046)。

12月17日「潮流」3銘柄の解説|岡山 憲史【株式投資テレビ】も併せてご視聴ください。




岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて約1万人の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催、
ゴールドマン・サックス投信・クレディスイス投信・野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、
プロの運用担当者などを含む1万人以上の参加者を集めて実施。
コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)は日本株式市場がバブル後最安値を付けに行く最悪の環境にもかかわらず、
1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に殖やすという脅威の成績をあげ文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2ヶ月間で1億円の資金を2億1600万円に増加させ、6位入賞。
1999年12月8日にマーケットバンク設立。17年以上にわたって株式投資で安定した高パフォーマンスを継続して出すことのできる
画期的な運用手法とサービスを提供している。

2002年1月にNHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
直近では2017年1月に始まった夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
1ヶ月間で3銘柄の合計パフォーマンスを競います。最終のパフォーマンスは155%と断トツの結果。
週刊現代、週刊ポスト、夕刊フジ、ネットマネー、月刊カレントなど幅広く執筆活動を行っている。

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