信用の空売りの評価損益
先週の日経平均は前週比約55円高と揉み合い相場が続いた。
21日には新型コロナウィルスのワクチン開発が順調と伝わり22925円まで上昇したが2万3000円の壁は抜けることができなかった。
新規の感染者拡大が続いている中で上値を買う投資家が不在のままで空売りの買戻しによる相場で値が持っているようだ。松井証券によると信用の空売りの評価損益は4月初めはトントンだったのが足元ではマイナス18%程度まで悪化しているようだ。
しびれを切らして買戻し
マイナス10%を超えると追加証拠金が求められることが多くそれを回避するために買戻しを余儀なくされてしまう。
薄商いの中、日銀のETF購入を市場が意識するところだがその購入基準が前場の段階で0.3%下落でも購入することがわかり空売りをしている投資家がしびれを切らして買戻しをいれているようだ。
7月の第2週には海外投資家と個人投資家が今年初めて揃って日本株を買い越しており下がらぬ相場に焦りを感じてきているようだ。
混迷深める米中対立
しかし、国内も含め海外でも新規感染者数が一向に減らない状況の中では上値は買いずらい。
さらに、お互いの総領事館の閉鎖を決めるなど米中の対立は一層深まり出口の見えないものとなりつつある。
米国だけでなく英国やオーストラリア、インドなど中国に対して強硬措置をとる国が増加しており中国包囲網が整いつつある。
だが、現在の世界経済で中国抜きの状況は世界経済をさらに混迷に追い込むだけで良いことはなにもない。お互いが譲歩しあって初めて世界経済が成長するのだ。
新型コロナウィルス克服後の世界を見るにあたってもやはり米中関係は要注目である。
先週の安値下回るなら調整局面
今週は戻り一服で上値の重い展開となろう。先週末で引け値で週足一目均衡表の雲の上限(2万2809円)を抜けなかった。下値は切り上げてきてるものの先週の安値(2万2580円19銭)を下回ってくると調整局面入りしそうだ。
その際、下値は25日移動平均線(2万2508円処)、雲の下限(2万2113円)が意識されよう。抜けてくると21万900円処がターゲットとなろう。
今週は2万1900円から23000円のレンジを想定する。