関西電力(9503)が急落前日比205円安の1023円まで売り込まれ、1年ぶりに昨年来安値を更新した。9日、大津地方裁判所が福井県の高浜原子力発電所3、4号機の運転を差し止める仮処分を決定したことを嫌気した売りがかさんだ。稼働中の原発が司法判断によって停止するのは初めて。
大津地方裁判所は「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いにもかかわらず、安全性の確保について説明を尽くしていない」として、住民らの申立てを認めた。仮処分決定は直ちに効力が生じるため、関電は運転中の3号機を10日中に停止させる予定。
今回の運転差し止めで関電の稼動する原発ゼロとなり、5月からの電気料金値下げは白紙に戻った。4月に電力自由化を控え、業績への影響が懸念され、電力株全般に売りが広がっている。
証券市場新聞