米国債のデフォルトは回避できる【潮流】岡山 憲史

潮流|株式市場新聞
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テクニカル分析では?

日経平均は5月23日午前に3万1352円まで上昇する場面があった。テクニカル分析では1989年12月の過去最高値(3万8915円)から2009年3月のバブル後最安値(7054円)までの下げ幅に対する76.4%戻し(3万1396円)の水準だ。フィボナッチ比率を応用したテクニカル分析「フィボナッチ・リトレースメント」を使うと、株価の高値(安値)から安値(高値)の下げ(上げ)に対する戻り(押し目)の水準を推測できる。「黄金比」と呼ばれる61.8%のほか、38.2%や50%、76.4%が節目となる。

省令改正公布を投機筋は売り仕掛けに利用

しかし、午前中に33年ぶりの高値更新となった日経平均は、後場寄り直後に売り仕掛けにあった。経済産業省が先端半導体の製造装置など23品目を輸出管理の対象に加える省令改正を公布したというニュースが流れ、日経平均寄与度の高い東エレクやアドテストなどが急落し、日経225先物は15分間で500円近く値下がりした。ただ、このニュースは既に報道されており、投機筋は単に売りのプログラム売買を仕掛けるきっかけで利用したようだ。

Xデーはあるのか?

日本株が海外投資家の買いで上昇を強めてきた間、米国株は軟調な展開が続いている。米連邦債務の上限問題に警戒感が高まっているからだ。この問題が解決するまでは日本株もボックス相場になりそうだ。米政府が資金繰りに行き詰まるXデーはあるのか。米与野党の協議が決裂して最終的に米国債が債務不履行(デフォルト)となる最悪のシナリオに陥ることはないとの見方が大勢ではある。

Xデーが到来すれば野党に批判

イエレン米財務長官は、債務上限の引き上げか一時停止をしない限り、早ければ6月1日(26日に6月5日に修正)にも「全ての政府支払い義務を果たせなくなる可能性が非常に高い」との認識を示した。米シンクタンクの超党派政策センターは四半期の納税期限にあたる6月15日の直前の6月2~13日がXデーとなるリスクが高いとみている。ただ、Xデーが到来すれば、国民生活に大きな支障をきたし野党に批判が高まる。その前に政府と野党が歩み寄るだろう。最終的には合衆国憲法の「修正14条」の拡大解釈で債務支払いを継続できるため、国債のデフォルトは回避できる。毎年この問題が取りざたされるがデフォルトになったためしはない。

潮流銘柄は?

潮流銘柄はモリト(9837)、パソニックホールディングス(6752)、鹿島建設(1812)

 

岡山 憲史(株式会社マーケットバンク 代表取締役)プロフィール

マーケットバンクは1999年12月8日の設立から投資支援システムの開発・販売、金融情報サービス、投資売買助言、運用コンサル等を行っている。
2002年には画期的なペアトレード「ハイブリッドシステム」を開発。NHK番組「経済最前線」で紹介される。
2006年にテクニカル分析システム「マーケットルーラー」を開発。2007年にはテクニカル応用ツール「窓チャートシステム」を開発。2つの投資分析システムは全国の投資ソフト450本の中で共に人気ランキング1位となり、高い評価を得る。また、日経225先物運用システムを開発し、実践に活かしている。

代表の岡山憲史氏は1999年2月 日本初の資産運用コンテスト「第一回S1グランプリ」にて1万人超の参加者の中から優勝。
このコンテストはスカイパーフェクTVの資産運用情報番組「インベステーション」が主催。ゴールドマン・サックス投信、クレディスイス投信、野村アセットマネジメント投信などの協賛を得て行われたもので、プロの運用担当者などを含む1万人超の参加者を集めて実施。コンテストの開催時期(98年11月16日~99年2月15日)で、1億円の資金を1億3112万円(運用期間年利回り124%)に増やすという高成績をあげ、文句なしの優勝を果たす。
第二回大会においても、2カ月間で1億円の資金を2億1600万円に倍増させ、6位入賞。
2002年 1月 NHK番組「経済最前線」にて独自の投資支援システムが紹介される。
2005年12月 TBS番組「筑紫哲也のNEWS23」にて勝ち組企業として紹介される。
2017年 1月 夕刊フジ主催の「株-1グランプリ」において優勝。
2020年 1月 夕刊フジ「激闘!!株-1(カブワン)グランプリ」で優勝。
2022年 1月 夕刊フジ主催「株-1グランプリ」で優勝。
株式市場新聞、週刊ポスト、週刊現代、フライデー、月刊カレント等を執筆。
個人投資家に投資情報や個別銘柄、日経225先物の助言業務を行っている。

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp




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