参議院選挙と株価【転ばぬ先のテクニカル】

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利食い優勢でマイナス圏に沈む

昨日の東京株式市場はNY株高に連れ高スタートとなりましたが、その後は前日の大幅高もあり利食い優勢となりマイナス圏に沈みました。NYダウが641ドルも高いのに、東京市場は情けないという声も聞こえそうですが、前日の後場の上昇時、24時間取引のNYダウ先物が400ドル程度上げていたので、
641ドル高の400ドルは昨日に織り込んでいたということ。昨日の寄り後216円高まであったところがNYの241ドル余分に上げた部分です。

7月10日投開票の参議院選挙入り

さて、7月10日投開票の参議院選挙に入りました。参議院の定数は248議席で任期は6年。3年ごとに半数が改選となります。定数の半数は124議席ですが、今回は神奈川選挙区の欠員1議席の補充も同時に行われるため合計125議席を与野党で争うことになります。125議席の内訳は、45の選挙区(うち1人区は32)で75人(補充1含む)、比例代表で50人となります。

自民党勝利間違いないが大勝もない

自民・公明両党の非改選議席数は69(自民55、公明14)で、改選議席数も69(自民55、公明14)。参議院の過半数(125議席)維持を目標にすれば、今回は自民・公明両党で「56」が勝敗ラインとなり、自民党のみで70議席を獲得できれば単独過半数となります。世論調査では野党の支持率が低迷したままなので、自民党の勝利は間違いないと思いますが、アクセルとブレーキを同時に踏み込む首相なので、大勝ということもないのでしょう。

07年は与党惨敗受けて売られる

さて、気になるのは参議院選挙と株価の動きです。2007年7月29日に行われた第21回参議院議員選挙では、野党第1党だった民主党が+28議席、与党・自民党が-27議席(公明党が-3議席)となり、発足してから1年となった第1次安倍政権が大敗することとなりました。日経平均株価は、与党惨敗の動きを受けて売られました。

10年は一時的に下げてから上昇

2010年7月11日に行われた第22回参議院議員選挙は、前年に政権交代で民主党が与党になって1年後の選挙でしたが、民主党が10議席減らした一方、野党となった自民党が13議席を増やしました。民主党政権への国民の期待が失望に変わりつつあったことで、日経平均株価は選挙前から売られており、選挙後には一時的に下げてから上昇しました。

13年は上昇トレンドに入り

第2次安倍政権発足から8カ月後の2013年7月21日に行われた第23回参議院選挙は、自民党が31議席(公明党+1議席)を増やし、衆院選に続き与党の圧勝となりました。選挙後には一時的に下落したものの、2013年9月に2020東京オリンピックの開催が決まったこともあり、日本株は上昇トレンドに入っていくことになりました。

16年も上昇トレンド入り

2016年7月10日に行われた第24回参議院選挙では、自民党+6議席、公明党+5議席となり与党の勝利となりました。選挙前にはイギリスのEU脱退(ブリグジット)で売られていましたが、選挙後には株価は上昇し、トランプ政権の誕生などもある中で再び上昇トレンド入りとなりました。

19年は一時売られたが持ち直す

2019年7月21日に行われた第25回参議院選挙では、自民党は9議席減らし(公明党は+3議席)、立憲民主党が+8議席獲得しました。与党が議席を減らしたことを受けて、株価は選挙後に一時売られましたが、その後は持ち直しました。

参院選は買い材料として意識

このように見ていくと与党が勝利すると上がり易い傾向にあります。世論調査では野党の支持率が伸び悩んでおり、与党勝利で間違いないと思います。今回の参院選で岸田政権が勝利すれば、衆議院を解散しない限り、2025年まで大型の国政選挙はないため、長期的な安定政権となる目算が立ちます。このあたりは買い材料として意識されることになりそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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