不穏な中国【転ばぬ先のテクニカル】

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中国ロックダウが世界経済の足かせと意識

昨日の東京株式市場は大幅反落しました。前日の東京時間ではアジア市場が安く、特にゼロコロナを掲げる中国で感染拡大により一部地域でロックダウンとなったことで、上海や香港市場が下げていましたが、参院選での与党大勝により東京市場だけはシッカリでした。中国の一部ロックダウンにより世界経済の成長の足かせとなることを意識した欧米市場が反落したことで、昨日の東京市場は前日の上げを帳消し更に深掘りする動きとなってしまいました。

ホワイトハウス市場の動揺押さえ込みへ

今週は13日の夜に6月の米消費者物価指数が発表されますが、ホワイトハウスは事前に「今回の消費者物価指数は高い数値が出る。原油価格の足元の下落が反映されるのは今月ではない」とし、市場の動揺を押さえ込もうとしているようです。市場予想ではエネルギー・食料品を含む総合で前年比+8.8%と前月の+8.6%から加速する見通しですが、それは先月のことであり、現状を反映していないとの認識も示したということです。

米企業決算はドル高が打撃に

また、今週から米国企業の決算発表が本格化します。14日はJPモルガンやモルガン・スタンレー、15日がウェルズ・ファーゴ、シティグループ、16日にゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカと金融機関中心ですが、来週はネットフリックスやテスラが予定されています。モルガン・スタンレーは最近の株価の反発が長続きするとは思わないで欲しいとしています。S&P500種構成銘柄の多くは収益の大部分を海外から得ており、足元のドル高により収益に打撃を与える可能性があるとしています。このあたりが直近の米国株の反発力の弱さに現れているように思います。

中国では恒大破産原因で取り付け騒ぎ

ところで中国でこのところ取り付け騒ぎが起こっているようです。共産国のことなので詳しくは分かりませんが、有料のSNSで情報が拡散しているということです。上海では住民の間で非常に厳しいロックダウンに対する怒りが噴出していましたが、昨年、不動産大手の中国恒大の破産が原因で預金を失ってしまう恐れを感じた住民の間で中国では稀に見るデモが起き、中国恒大の本社前で抗議者らが「我々のお金を返せ!」と繰り返し叫んでいたということが起き、今は中国の地方(農村部)の支店で取り付け騒ぎが起きているということです。

4月中旬から6銀行の預金が凍結

また、4月中旬から6銀行の預金が凍結されていることが確認されているそうです。中国の銀行のバランスシートはGDPの3.5倍(米国は1倍)で、最大貸出先の一つが不動産業者ということで、不良債権が相当に積み上がっていると思われます。取付け騒ぎは国営の大手行である中国銀行にも及んでいるという情報もあり、中国関連のニュースには気を配る必要がありそうです。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

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