大荒れの展開
先週の東京株式市場は大荒れの展開でした。週初からメジャーSQの位置取りを巡る攻防で乱高下。木曜日に参院財政金融委員会に出席した日銀の植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と述べたことで、マイナス金利政策の解除観測のための地ならしを意識したものと受け止められました。
一時141.73円へ急激な円高進行
そのため、為替市場で急激な円高が進行し、7日のNY時間でドル円は一時141.73円まで急騰しました。現在、141.65円に12カ月線に走っており、一旦は円買いが止まりましたが、これで収まるのかどうか。輸出企業の想定為替レートがおおよそ141円に設定されているために、更に円高が進むことは避けたいところではあります。
ドル買いポジション一気に巻き戻される
ここでの急激な円高はADP雇用報告が市場予想を下回り米長期金利が低下しているところに先行きの世界景気の減速を織り込むように原油価格が下落していた環境下、植田総裁の意味深な発言より、大量に積み上がっていたドル買いポジションが一気に巻き戻されたことで起こりました。
マイナス金利を長期に続けることが異常
FRBのパウエル議長は常に市場と上手に対話することを心がけているように見えますが、植田総裁はそうした機敏な配慮が出来ない方なのかもしれません。しかし、マイナス金利政策を長期に続けること自体が異常なことであり、正常に戻す作業にようやく舵を切り出したということは良い事ではないかと考えます。
10月の戻り高値割り込み暫く下値模索
さて、日経平均は3万2000円台前半に押し戻されてしまいました。10月4日の3万487円と10月30日の3万538円でダブルボトム形成後、日経平均は3万3800円台へと上昇していきましたが、今回の急落で10月13日の戻り高値である3万2533円を割り込んでしまったことから暫く下値模索が続くと思われます。
3万2100円近辺守れば反転機運
しかし、日柄に目を移すと、9月15日高値から10月30日安値までの対等日柄が今週火曜日に到来します。その時、日足・一目均衡表の雲上限である3万2060円や週足・転換線、基準線が収斂している3万2100円近辺を守ることが出来れば反転機運は高まるものと思われます。
割り込めば1月11日前後まで厳しい
そういう意味で今週は3万2000円攻防の注目週となりそうですが、ここをあっさり割り込む場合は次の変化日である来年1月11日前後まで厳しいと考えざるを得ません。
日々勇太朗
提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
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