株価指数と半導体株【転ばぬ先のテクニカル】

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞
目次

日経平均は2週続伸

先週の東京株式市場は日経平均の週足が2週続伸となりました。この週はGWの合間の3日立ち合いでしたが、4月相場が終わり、5月相場入りした週です。

4月相場は年始からの急騰に対する押し目形成

そこで、まずは4月相場を振り返ってみましょう。4月の日経平均株価は前月比1964円安となり、月足は6カ月ぶりに陰線形成となりました。下値は3万6733円までありましたが、5カ月移動平均線が下値をサポートしました。年始からの急騰に対する押し目形成となった月ということになりそうです。一方、週足では続伸しましたが、ローソク足は陰線形成。現在、下降中の5週線がレジスタンスラインとして立ちはだかった形です。

日米とも上値重く戻り売り

NY市場も同様で、4月のNYダウの月足は1992ドル安。東京市場同様に6カ月ぶりの反落となりました。週足は1日現在反落しており、13週線が下方転換してきました。上値は重く戻り売り相場と言えそうです。

エヌビディア株の上昇止まり調整局面入り

さて、両市場とも昨年10月安値から立ち上がってきた訳ですが、このけん引役となったのが半導体大手のエヌビディアです。10月末400ドルだった株価は今年3月には1000ドルに接近。この上昇により半導体関連銘柄がバブル的に急上昇し、株価指数を引っ張り上げたのです。その後、エヌビディア株の上昇が止まり、調整局面入りしたと同時に日米の株価指数も調整に入ったことが分かります。

ディープラーニングにはGPUという流れ

AIブームの起因はOPEN AI社がChatGPTを公開した2022年11月のことです。エヌビディアは2012年ごろから単純な計算をするにはCPUよりもGPUが有利だとして開発してきましたが、その後、AIの研究が進むに従って、ディープラーニングにはGPUという流れが出来上がりました。

エヌビディアの「H100」へ引き合い集中

そして2022年春にエヌビディアが非常に高い演算性能を誇るAI用GPU「H100」を発表し、2022年秋から出荷開始したのと時を同じくしてOPEN AI社のChat GPTが公開されました。このChat GPTが生成AIブームを巻き起こし、エヌビディアの「H100」への引き合いが集中しました。

AIブーム継続するかを決算発表で確認

この2022年当時の株価は100ドルを超えた程度でした。その後、四半期ごとに市場予想を上回る驚愕の決算が発表され、株価は大化けとなりました。4月の株式市場では急騰し、加熱した株価が一時的な日柄調整に入るとともに、今後もAIブームが継続するのかどうかを決算発表で確認する時間軸に入ったということでしょう。

米ではAMD、国内ではイビデンが急落

5月相場がスタートしましたが、1日の米国市場では半導体大手、アドバンスト・マイクロ・デバイスが発表した4~6月期の売上高見通しが慎重との見方が広がり、同社株は9%超の下落となりました。国内ではイビデンが25年3月期(今期)の連結純利益が前期比17%減の260億円になる見通しだと発表。2日の取引では10%を超える急落となりました。

在庫調整の進展具合を確認する局面

前週に今期見通しを発表したアドバンテストも市場予想を大きく下回り株価は急落。日米の主なハイテク企業決算は、市場の高い期待に届かず失望売りを浴びる例が続出しています。ここでは生成AI需要とスマホやパソコンなどの在庫調整の進展具合を確認するという局面なのでしょう。

決算一巡するまで調整期間

決算が一巡するまでは日柄及び値幅調整期間という目線で見ていく必要があるでしょう。

日々勇太朗

 

提供:株式市場新聞社 marketpress.jp
 

株式市場新聞 marketpress.jp 株式ニュースと話題の銘柄

限定銘柄情報が満載!「株式市場新聞 公式メールマガジン」

購読会員限定コンテンツ

Pocket

転ばぬ先のテクニカル|証券市場新聞

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次